1.2 手数料が高い

銀行で取り扱う投資信託は手数料が高いのでしょうか。

投資信託には主に「買うとき・運用期間中・売るとき」に手数料が発生します。このうち運用期間中にかかる信託報酬は、運用会社が設定するものであり、銀行や証券会社による違いはありません。

また、売るときにかかる信託財産留保額は販売会社や運用会社に支払うものではなく、信託財産として留保されるものですので、こちらも販売会社ごとに違いはありません。

金融機関により差が生じる投資信託の手数料は、買うときにかかる購入手数料です。

しかし、2021年に金融庁が発表した「投資信託等の販売会社に関する定量データ分析結果」によると、金融機関ごとの投資信託の平均販売手数料は、主要銀行より大手証券会社が高いことが明らかになっています。

2016年度時点の平均販売手数料は主要銀行が2.19%であるのに対し、大手証券会社は2.32%です。2020年度においては主要銀行が1.53%であるのに対し、大手証券会社は2.59%。

上記より、投資信託を購入する際にかかる手数料は現状、銀行だけが突出して高いというわけではないようです。

ただし、銀行と証券会社は顧客層が異なる点を考慮しなければいけません。⼤⼿証券会社等は、投資経験が豊富な顧客を対象にしているなど銀⾏とは顧客属性が異なります。

手数料が高い傾向にあるアクティブ型投資信託の販売が多いことから、証券会社は銀行より販売手数料が高いと考えられます。

以上、銀行で投資信託を買うな!と言われる理由として考えられる2点を検証しましたが、必ずしもそうとは言い切れないようですね。