厚生労働省が公表している「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2022年時点における日本全体の平均世帯年収は約546万円です。

世帯年収が700万円のご家庭は、平均を100万円以上も上回っていることになります。

しかし世帯年収700万円でも、止まらない物価高で日々の生活費がカツカツな世帯もあるかもしれません。特に、子どもがいる世帯は子育て費用がかかるため、生活に余裕のない場合が多いでしょう。

そのような子育て世帯が一度は利用を検討するのが「大学無償化制度」です。大学無償化制度を利用できれば、子どもが大学に行く費用を抑えられます。

ただし、大学無償化の対象となるには世帯年収などの要件を満たすことが必要です。では、世帯年収700万円の世帯は大学無償化の対象となるのでしょうか。

そこで本記事では、大学無償化の対象となる世帯の要件を紹介します。大学無償化制度の概要も解説するので参考にしてみてください。

1. 大学無償化ではどのような支援が受けられるのか

まずは、大学無償化制度でどのような支援が受けられるのかを紹介します。

大学無償化制度で受けられる支援は「授業料の免除」と「給付金の支給」の2つです。

免除される授業料は、以下のとおり大学の種類によって異なります。

1.1 免除される入学金と授業料(国公立の場合)

  • 学校の種類(昼間制)   入学金       授業料
  • 大学                        約28万円      年間約54万円
  • 短期大学                  約17万円      年間約39万円
  • 高等専門学校            約8万円        年間約23万円
  • 専門学校                  約7万円        年間約17万円

*住民税非課税世帯の場合(満額)

1.2 免除される入学金と授業料(私立の場合)

  • 学校の種類(昼間制)      入学金           授業料
  • 大学                           約26万円        年間約70万円
  • 短期大学                     約25万円        年間約62万円
  • 高等専門学校               約13万円        年間約70万円
  • 専門学校                     約16万円        年間約59万円

*住民税非課税世帯の場合(満額)

例えば、国公立大学に通う場合は満額で入学金が約28万円免除され、さらに授業料が年間約54万円免除されます。私立の場合は、さらに免除される授業料は高額です。

つぎに、給付金について見ていきましょう。給付金は、以下のとおり大学の種類と自宅から通うか自宅外から通うかによって異なります。

1.3 給付型奨学金の給付額(国公立の場合)

大学・短期大学・専門学校

(自宅生)月額2万9200円

(自宅外)月額6万6700円

高等専門学校

(自宅生)月額1万7500円

(自宅外)月額3万4200円

*住民税非課税世帯の場合(満額)

1.4 給付型奨学金の給付額(私立の場合)

大学・短期大学・専門学校    

(自宅生)月額3万8300円

(自宅外)月額7万5800円

高等専門学校

(自宅生)月額2万6700円

(自宅外)月額4万3300円

*住民税非課税世帯の場合(満額)

例えば、私立大学に自宅外から通う場合は、月額7万5800円もの給付金をもらうことが可能です。月額7万5800円もらえれば、生活はかなり楽になるでしょう。