日本経済団体連合会によると、2023年冬のボーナスの平均は90万6413円でした。

実際に、業種を問わずボーナスの支給額は、例年より増えているのでしょうか。

今回は、年収が600万円を超える業種について解説します。

1. 年収600万円を超える割合

国税庁は2023年9月27日に「令和4年分民間給与実態統計調査」を発表しました。

あくまでも勤労による給与所得を得ている人に限定されますが、全体の約22.6%が年収600万円を超えています。

およそ5人に1人が年収600万円を超えています。

男女別でみると、男性は全体の33.4%、女性は全体の8.2%が年収600万円を超えていました。

出産や結婚でキャリアを中断してしまう女性に対して、男性は仕事を続けるケースが多いので、割合としては男性が多くなる傾向にあります。

では、どのような業種が年収600万円を超えるのか、確認しましょう。

2. 年収600万円を超える業種

パーソルキャリア株式会社が運営する大手転職サイトdodaが調査した「平均年収ランキング」に基づいて、年収が高い業種を発表します。

2.1 1位「投信 / 投資顧問」750万円

1位は「投信 / 投資顧問」でした。

投資家に対して助言やファンドの運用を引き受ける仕事です。

高い専門性が問われる仕事ですが、業種としては年収が高く反映されやすい業種といえます。

2.2 2位「たばこメーカー」667万円

2位は「たばこメーカー」でした。

たばこ産業は安定した業績を維持し続けているので、職種を問わず安定的に高い収入が得られる期待が高いです。

医薬品や開発など知見が必要な部署もありますが、システムの保守管理の部署もあります。

2.3 3位「医薬品メーカー」647万円

3位は「医薬品メーカー」です。

たばこメーカーと同じく、安定した業績を維持している会社が多いので、高い収入を得られます。

化学品等を扱う業界は収入が高いだけでなく、ニーズが確立しているため企業も安定して成長する傾向にあります。

そのため、収入面も高くなりやすいです。

3. 年収が高すぎるのもネック?

年収が600万円を超える割合は5人に1人なので、魅力的に見えるかもしれませんが、年収が高すぎるのもネックです。

というのも、年収が高くなれば課税される所得額も増えるので、場合によっては行政からのサービスも受けられる年収600万円のほうがコスパが良い面もあります。

年収600万円がコスパが良いとされているのは、以下の3点が理由です。

  • 所得税率が10%
  • 補助金や助成金の対象になりやすい
  • 手当や減税の対象外になりにくい

3.1 所得税率が10%

所得税率は、年収から控除分を差し引いて残った金額(課税所得)にかかる税率です。

年収600万円の会社員なら、仮に配偶者控除のない独身でも、課税所得は税率10%の範囲に収まりやすいです。

  • 年収:600万円
  • 給与所得控除:164万円
  • 基礎控除:48万円(住民税43万円)
  • 社会保険料控除:90万円(年収の約15%)
  • 課税所得:298万円(住民税283万円)
  • 所得税:20万500円
  • 住民税:約28万円(283万円×10%)

上記に加えてさまざまな控除を受けられれば、さらに所得税は軽減できます。

もし年収1000万円の場合は、課税所得が以下の通りになります。

  • 年収:1000万円
  • 給与所得控除:195万円
  • 基礎控除:48万円(住民税43万円)
  • 社会保険料控除:150万円(年収の約15%)
  • 課税所得:607万円(住民税602万円)
  • 所得税:78万6500円
  • 住民税:約60万円(602万円×10%)

年収の差は約1.6倍ですが、税金ではおよそ3倍の差があります。

あくまでも世帯の状況によりますが、年収600万円だと税金を納める金額などを考えるとコスパが良いといえるでしょう。

3.2 補助金や助成金の対象になりやすい

また、年収600万円だと、さまざまな国の補助や助成制度も受けられる点もメリットです。

子どもの人数や年齢、共働きか片働きにもよりますが、片働きで子ども2人が高校生の場合、年収約640万円であれば公立私立問わず、授業料が助成されます。

このように、年収が600万円の世帯であれば高校の授業料が実質無償化となるので、見方によればコスパは良いといえるでしょう。

さらに、子どもが3人いる世帯もしくは理工農系の私立に進学する学生を持つ世帯に限定されますが、返済義務のない「給付型奨学金」を利用できる要件が、世帯年収600万円まで拡大します。

新たな要件は2024年4月からスタートする見通しです。

3.3 手当や減税の対象外になりにくい

最後に、年収が600万円が手当や減税の対象外になりにくいのは、所得制限に抵触しないからです。

2024年6月に実施される所得税と住民税を軽減する「定額減税」は、年収が2000万円を超える人は対象外になります。

また、2024年12月からは撤廃が予定されていますが、児童手当も所得が高い世帯には減額されて支給されるので、充分な行政からのサポートは受けられません。

こうした面も年収が600万円だった場合にメリットがあります。

4. 転職して年収アップも大切だが、収入を得る方法は1つじゃない

年収600万円を超える人の割合や業種について解説しました。

転職して年収アップも重要ですが、収入が上がると所得税や住民税も高くなります。

高い給与がもらえそうな業種に行くことも1つです。

しかし、1つの会社で収入を得る方法もあれば、副業で収入を得る方法もあります。

どのように収入を得る方法が自分にとって最適なのか、しっかりと考えて行動しましょう。

参考資料

川辺 拓也