2. 【二人以上世帯】50歳代の貯蓄額はいくらか
50歳代の年収が高いことを確認しましたが、貯蓄はどれくらいできているのでしょうか。まずは、夫婦世帯などの二人以上世帯から確認しましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
なお、貯蓄には預金のほかに株式や投資信託、積立型保険などの金融商品を含みます。
2.1 50歳代二人以上世帯の金融資産保有額
- 非保有 :24.4%
- 100万円未満 :9.3%
- 100~200万円未満 :5.8%
- 200~300万円未満 :4.2%
- 300~400万円未満 :5.1%
- 400~500万円未満 :3.2%
- 500~700万円未満 :5.0%
- 700~1000万円未満 :5.7%
- 1000~1500万円未満 :8.8%
- 1500~2000万円未満 :6.0%
- 2000~3000万円未満 :7.2%
- 3000万円以上 :10.8%
- 無回答 :4.6%
- 平均値 :1253万円
- 中央値 :350万円
50歳代二人以上世帯の貯蓄額の平均値は1253万円、中央値は350万円です。
平均値と中央値の差は約3.6倍です。平均値は一部のお金持ち世帯が数値を引き上げるため、中央値がより実態を表しているといえるでしょう。
中央値は350万円なので、多くの50歳代二人以上世帯では充分な老後資金があるとは言えない状況です。
また、貯蓄ゼロの世帯も24.4%あります。
一方で、貯蓄が3000万円以上ある世帯も10.8%あるため、世帯による貯蓄額の差はかなり大きいです。
3. 【単身世帯】50歳代の貯蓄額はいくらか
次に、50歳代単身世帯の貯蓄事情を確認しましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、50歳代単身世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
3.1 50歳代単身世帯の金融資産保有額
- 非保有 :39.6%
- 100万円未満 :11.5%
- 100~200万円未満 :5.5%
- 200~300万円未満 :4.4%
- 300~400万円未満 :3.0%
- 400~500万円未満 :1.9%
- 500~700万円未満 :3.0%
- 700~1000万円未満 :5.5%
- 1000~1500万円未満 :4.6%
- 1500~2000万円未満 :4.1%
- 2000~3000万円未満 :4.1%
- 3000万円以上 :9.6%
- 無回答 :3.3%
- 平均値 :1048万円
- 中央値 :53万円
50歳代単身世帯の貯蓄の平均値は1048万円、中央値は53万円となっています。二人以上世帯に比べて、さらに貯蓄額は少ないです。
半分以上の世帯は貯蓄が53万円以下のため、老後への備えに不安を感じている世帯も多いでしょう。
一方で、単身世帯においても貯蓄額が3000万円以上ある世帯は9.6%あるため、やはり世帯間での貯蓄額の差は大きいです。
4. 今から老後対策を始めよう
50歳代で充分な貯蓄がない世帯は意外と多いことがわかりました。
ただし、50歳代からでも貯蓄は遅くありません。50歳代は一般的に年収が高いことにくわえ、子どもが独立して子育て費用がかからなくなることも多いです。
そのため、ぜひ50歳代から貯蓄を始めて、少しでも経済的に余裕のある老後生活を目指してみてください。
参考資料
- 国税庁長官官房企画課「令和4年分民間給与実態統計調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
苛原 寛