3. 50歳代の貯蓄額はどれほどか
40歳代世帯の貯蓄額を確認しましたが、50歳代になると貯蓄額は増えるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、50歳代二人以上世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
3.1 50歳代二人以上世帯の金融資産保有額
- 非保有:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100~200万円未満:5.8%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:5.1%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:5.0%
- 700~1000万円未満:5.7%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
- 無回答:4.6%
- 平均値:1253万円
- 中央値:350万円
中央値は350万円となっていて、40歳代の250万円よりも約100万円増えています。一方で、貯蓄がない世帯の割合は24.4%で40歳代とそこまで変わりません。
40歳代で貯蓄ができない世帯の多くは、50歳代になっても貯蓄ができていないことがわかります。
また、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
によると50歳代単身世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
3.2 50歳代単身世帯の金融資産保有額
- 非保有:39.6%
- 100万円未満:11.5%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:4.4%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:3.0%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.6%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上:9.6%
- 無回答:3.3%
- 平均値:1048万円
- 中央値:53万円
中央値は53万円で、40歳代の中央値と同じです。また、貯蓄ゼロの世帯は39.6%となっていて、40歳代よりもその割合は増えています。
年齢を重ねるだけで勝手に貯蓄額が増えるわけではないことがよくわかるでしょう。貯蓄を増やすには節約などの工夫が必要です。
4. 今から老後対策を始めよう
40歳代、50歳代のロスジェネ世代の多くは、充分な貯蓄がないことを確認しました。
ただし、今からでも老後対策は遅くありません。例えば、毎月3万円を20年間貯蓄すれば720万円もの資産を用意できます。
そのため、まずは家計の見直しで支出を抑えられないか確認してみてください。特に、サブスク料金や保険料、新聞代などの固定費は、見直すことで節約効果が大きいです。
ぜひ、固定費の削減で貯蓄に回せるお金を増やしてみてください。
参考資料
苛原 寛