バブル崩壊後から約10年間の不景気の時代に新卒で就職活動をおこなった世代は「ロスジェネ世代」と呼ばれます。ロスジェネ世代は現在の40歳代~50歳代で、当時は就職先を見つけるのが困難だったことから正社員として働けない人も多くいました。
では、そんなロスジェネ世代は現在どれくらい貯蓄ができているのでしょうか。老後への備えは充分なのでしょうか。
本記事では、ロスジェネ世代の貯蓄額を二人以上世帯と単身世帯にわけて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. ロスジェネ世代の老後への不安はどれほどか
まずは、ロスジェネ世代が老後に対してどれくらい不安を持っているのかを確認します。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、老後が心配であると答えたロスジェネ世代の割合は、世帯主が40歳代の世帯で86.9%、世帯主が50歳代の世帯で83.0%です。
多くのロスジェネ世代が老後に対して不安を持っていることがわかります。
2. 40歳代の貯蓄額はどれほどか
ロスジェネ世代の多くが老後への不安を抱えていることを確認しましたが、実際に老後に向けた貯蓄はどれくらいできているのでしょうか。40歳代の貯蓄実態を確認してみましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、40歳代二人以上世帯(夫婦世帯など)の金融資産保有額は以下のとおりです。
なお、金融資産には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。
2.1 40歳代二人以上世帯の金融資産保有額
- 非保有:26.1%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:7.2%
- 200~300万円未満:5.4%
- 300~400万円未満:5.5%
- 400~500万円未満:4.2%
- 500~700万円未満:7.9%
- 700~1000万円未満:7.3%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.8%
- 2000~3000万円未満:5.2%
- 3000万円以上:4.9%
- 無回答:3.8%
- 平均値:852万円
- 中央値:250万円
貯蓄がゼロの世帯の割合は26.1%です。約4世帯に1世帯以上が貯蓄がありません。また、中央値も250万円と低いため、数字からみても多くの世帯は老後への備えが充分とは言えないことがわかります。
一方で、貯蓄が1000万円以上ある世帯も21.3%あるため、貯蓄額は二極化しています。
つぎに、40歳代単身世帯の貯蓄額を確認しましょう。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、40歳代単身世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
2.2 40歳代単身世帯の金融資産保有額
- 非保有:35.8%
- 100万円未満:14.8%
- 100~200万円未満:5.9%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:6.2%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:2.8%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:7.7%
- 1500~2000万円未満:2.5%
- 2000~3000万円未満:4.0%
- 3000万円以上:5.9%
- 無回答:3.7%
- 平均値:657万円
- 中央値:53万円
単身世帯では貯蓄がゼロの世帯の割合がさらに増え、その割合は35.8%です。3世帯に1世帯以上は貯蓄がありません。また、中央値は53万円のため、二人以上世帯よりもさらに貯蓄額は少ないです。
3. 50歳代の貯蓄額はどれほどか
40歳代世帯の貯蓄額を確認しましたが、50歳代になると貯蓄額は増えるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、50歳代二人以上世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
3.1 50歳代二人以上世帯の金融資産保有額
- 非保有:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100~200万円未満:5.8%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:5.1%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:5.0%
- 700~1000万円未満:5.7%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
- 無回答:4.6%
- 平均値:1253万円
- 中央値:350万円
中央値は350万円となっていて、40歳代の250万円よりも約100万円増えています。一方で、貯蓄がない世帯の割合は24.4%で40歳代とそこまで変わりません。
40歳代で貯蓄ができない世帯の多くは、50歳代になっても貯蓄ができていないことがわかります。
また、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
によると50歳代単身世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
3.2 50歳代単身世帯の金融資産保有額
- 非保有:39.6%
- 100万円未満:11.5%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:4.4%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:3.0%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.6%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上:9.6%
- 無回答:3.3%
- 平均値:1048万円
- 中央値:53万円
中央値は53万円で、40歳代の中央値と同じです。また、貯蓄ゼロの世帯は39.6%となっていて、40歳代よりもその割合は増えています。
年齢を重ねるだけで勝手に貯蓄額が増えるわけではないことがよくわかるでしょう。貯蓄を増やすには節約などの工夫が必要です。
4. 今から老後対策を始めよう
40歳代、50歳代のロスジェネ世代の多くは、充分な貯蓄がないことを確認しました。
ただし、今からでも老後対策は遅くありません。例えば、毎月3万円を20年間貯蓄すれば720万円もの資産を用意できます。
そのため、まずは家計の見直しで支出を抑えられないか確認してみてください。特に、サブスク料金や保険料、新聞代などの固定費は、見直すことで節約効果が大きいです。
ぜひ、固定費の削減で貯蓄に回せるお金を増やしてみてください。
参考資料
苛原 寛