人生100年時代と言われるようになった現代では、老後の生活期間も年々延びてきています。

老後生活が長くなると、その分老後資金もより多く準備しておく必要があります。

その際、定年退職を迎えたタイミングで受け取れる「退職金」を老後資金として考えている人も多いでしょう。

では、自分が定年時にいくら退職金を受け取れるか、具体的な金額をご存じでしょうか。

本記事では、公務員・会社員(大企業・中小企業)それぞれの定年時の退職金について詳しく解説していきます。

ゆとりのある老後生活を送るために、今のうちから受け取れる退職金を把握しておき、足りない分は備えておけると良いでしょう。

1. 公務員(国家公務員・地方公務員)の定年時の退職金

公務員は、「国家公務員」と「地方公務員」の2つに区分されています。

まずは、国家公務員の定年時の退職金から見ていきましょう。

内閣官房の「国家公務員退職手当実態調査」によると、国家公務員の定年退職金の平均金額は下記の結果となりました。

国家公務員の定年時の退職金は、「常勤職員」「行政職俸給表(一)適用者」ともに2000万円を超えているのがわかります。

では、地方公務員の場合は、定年時の退職金はどのようになるのでしょうか。

総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査」によると、地方公務員(一般職員で25年以上勤続)が定年時に受け取れる退職金の平均金額は下記の結果となりました。

地方公務員も、国家公務員と同様に退職金の平均額が2000万円を超えていますね。

公務員の退職金は、勤続年数が大きく関与しており、国家公務員・地方公務員ともに勤続年数が長いほど定年時の退職金が増加傾向にあります。

実際に、内閣官房の「国家公務員退職手当実態調査」の勤続年数別の退職金を見ると、勤続年数が35年以上の人は定年退職時に2000万円を超えています。

一方で、勤続年数が「30年~34年」の場合は定年退職金は1975万8000円とギリギリ2000万円には届かない結果になっており、それより勤続年数が少ない場合はさらに退職金が減額されています。

上記のことから、定年時の公務員の退職金は、勤続年数が長いほど退職金も増額される傾向にあるとうかがえます。