2. 会社員(大企業・中小企業)の定年時の退職金

前章では、公務員の定年時の退職金について紹介しましたが、果たして会社員の退職金とどのくらい違いが生じるのでしょうか。

本章では、会社員の受け取れる退職金の平均額を、企業規模別にそれぞれ紹介していきます。

中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査」によると、企業規模1000人以上の企業のモデル退職金は、大学卒・高校卒それぞれで下記の結果となりました。

※学校を卒業後直ちに入社して標準的に昇進した者の内、大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、定年退職に該当する者

企業規模1000人以上のいわゆる「大企業」の定年退職時の退職金は、大学卒・高校卒ともに、2000万円前後となっています。

しかし、学歴によって退職金に約600万円もの差が生じており、その格差は非常に大きいものといえます。

一方で、東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」によると、企業規模が300人未満の企業の定年時の退職金は下記の結果となりました。

※卒業後すぐ入社し普通の能力と成績で勤務した場合の水準

企業規模300人未満のいわゆる「中小企業」の定年退職時の退職金は、大学卒・高校卒ともに1000万円前後となっています。

大企業や公務員の退職金と比較すると、約1000万円ほど金額に差があることがわかります。

3. 自分の退職金目安を確認する際の注意点

前章では、公務員・会社員それぞれの定年時の退職金の平均額を紹介していきました。

紹介した退職金は、あくまでモデル退職金額であり、実際は企業の方針や勤続年数によっても金額が大きく異なります。

本章では、自分の退職金の目安を確認する際に、留意しておきたい注意点を2つ紹介していきます。