40歳代、50歳代になると、老後生活について考える人も少なくありません。

特に、老後にいくらの年金がもらえるか気になる人も多いでしょう。年金は、人によって受給額が異なります。

そこで本記事では、厚生年金を「手取りで月額20万円超」もらえる人の割合を紹介します。

手取りで月額20万円の厚生年金を受け取るために必要な現役時代の年収もシミュレーションするので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 年金「手取りで月額20万円」をもらうには額面いくらが必要か

年金は、給与と同様に税金と社会保険料が差し引かれます。そのため、額面と手取りの金額には差が生じる仕組みです。

では、手取りで月額20万円の年金をもらうには額面いくらが必要なのでしょうか。以下の人の条件で、手取りが月額20万円となる額面金額をシミュレーションしてみましょう。

  • 東京都練馬区在住の独身70歳
  • 65歳から年金受給を開始
  • 収入は年金のみ
  • 基礎控除・社会保険料控除・公的年金所得控除のみを適用

シミュレーションの結果、手取りで月額20万円の年金をもらうには額面で月額23万7000円(年間284万円)の年金が必要です。シミュレーションの詳細は以下のとおりとなります。

出所:筆者作成

1.1 額面年金が年間284万円(月額23万7000円)の人の税金と社会保険料

  • 所得税:年間5万3000円
    (284万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約28万3169円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)
     
  • 住民税:年間11万1000円
    (284万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約28万3169円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)
     
  • 国民健康保険料:年間18万6000円
     
  • 介護保険料:年間9万7000円
     
  • 手取り:年間240万2000円(月額20万円)
    284万円ー5万円(所得税)ー10万5000円(住民税)ー18万6000円(国民健康保険料)ー9万7000円(介護保険料)

税金と社会保険料の内訳としては国民年金保険料がもっとも高く、年間18万6000円(月額1万5500円)です。

手取りで月額20万円の年金をもらうには、額面で月額23万7000円もの年金が必要となることを覚えておきましょう。