高校授業料の「実質無償化」東京では所得制限撤廃の動き

冒頭で触れたとおり、東京都知事は2023年12月5日の都議会定例会知事所信表明にて、高校の授業料無償化における“所得制限”を撤廃する考えを示しました。

同日に提出された自由民主党による「教育費支援の充実に向けた緊急要望」でも、「私立高校や都立大学における授業料支援の所得制限の撤廃に向けた対策を講じること」を求めています。

実現されれば、すべての家庭において授業料助成が受けられることとなり、子育て世帯の負担は軽減されることになります。

なお、国は現時点では東京都の方針を承知しているとしつつ、国の制度を基盤として地方自治体とあいまって行われるのが重要であると説明するにとどめています。

児童手当でも所得制限撤廃へ

子育て政策をめぐっては、児童手当においても所得制限の撤廃が予定されています。

これは東京都独自の施策ではなく、国を挙げての改革となり、2024年12月から実施見込みです。

児童手当では、現行制度において子ども1人あたり、月額1万円~1万5000円が支給されています。

現行制度における児童手当の支給額一覧

  •  0~3歳未満:月1万5000円
  • 3歳~小学生:月1万円(第3子以降は月1万5000円)
  • 中学生:月1万円

ただし、「所得制限限度額」を上回ると月額5000円に減額となり、さらに「所得上限限度額」を上回ると支給が停止されます。