「最近の若者は、デジタルネイティブ世代だから、パソコン操作が当たり前の世界で生きている」と思っていませんか。

筆者は「デジタル」という言葉はあまり適していないように感じます。なぜなら、周りにあまりにもPCが苦手な人がいるからです。中には、春から社会人でパソコンを使う仕事をする人もいて、「全く使えない状態で大丈夫かな」という心配や過度な期待に戸惑っています。

そこで、ITリテラシーの調査結果と照らし合わせつつ、LIMO・U23編集部へ聞き取りをしました。

1. デジタル機器というより「スマホネイティブ」?

LINE株式会社の調査によると、15歳〜59歳のネット利用者の中でスマホのみを利用している人は59%。全体の過半数以上がインターネットを利用するときはスマホのみ利用しているということがわかりました。

スマホは2009年ごろから普及。現役大学生は基本的に2003年〜2001年生まれであることから、小学生のタイミングからスマホが普及していることがわかります。

「現役大学生たちはデジタル機器なんにでも強い!」というわけではなく、「スマホネイティブ世代」かもしれません。

筆者は大学4年生で、小学生の頃から趣味の一つとしてパソコンを利用していたため、スマホよりパソコンの方が楽だと思っています。しかし、大学入学したての頃に「キーボードを片手打ちしている友達」や、「さっきの資料の保存先どこにいったかわからない……」と言っている友達がいて衝撃でした。

極めつけの言葉は、「スマホで全部できるからPCめんどくさい」でした。

2. デジタル機器が強いという先入観からくる期待の重さ

社会人の友達からは、「社会に出てから年上の上司に「デジタルに強い」と期待されてしんどい……」という声も聞いたことがあります。

スマホが身近な中で育ったため、スマホ周りには強いかもしれません。ですが、PCに強いかどうかは人それぞれ。特に社会で期待されるスキルと大学生が持つスキルにはギャップがあるように感じます。

実際、大学生活はPCを使わずに乗り切り、スマホやタブレットでレポートを書く人たちもいます。

3. 大学生のPCスキルの高さはどれくらい?

身の回りを見るだけでも、デジタルネイティブといわれているZ世代はPCに弱い印象。

WHITE株式会社では、大学生591人へのITリテラシー調査をもとに、大学生のPCスキルについて調査しました。その結果、PCスキルにギャップがあることがわかりました。

3.1 大学生のPC保有率は約8割

まず大学生のPCの保有状況はどうでしょうか。自分専用のノートPCを持っているという回答は83.0%、保有しているPCのOSはWindowsが80.1%、Macは4人に1人という結果でした。

私の通う大学は入学の際にPC購入が必須だったため、自分用のノートPCを購入しました。

大学生のPC保有状況を見ると、自分専用のノートPCを持っている人が83.0%越え。 持っていない人は5.8%と、PCを持っている人が多いことがわかります。

保有しているPCはWindowsが80.1%と根強い人気を誇っています。

筆者の大学ではレポート作成や講義でPCを使うため、「持ち歩けるノートPC」を購入しましょうと言われていました。Macだと、大学の講義で使う資料の表示がズレるなどして、サポートできない可能性があると言われていたため、Macを購入している人は見かけませんでした。

筆者の知り合いには、Windowsでしか使えないソフトを使って勉強をしている人もいました。Windowsの根強い人気は、こういった環境的な要因が強いかもしれません。

LIMO・U23編集部が所属するそれぞれの大学の事情を確認したところ、「PC室があるので必須購入ではないけど、使う機会が多くほぼみんな自分のPCを持っていた」や「入学予定者の資料の中にPCの最低限のスペックが書かれていてそれをもとに購入した」などの意見があがりました。

成績をあまり気にしない人は、人がいっぱいで満席になりがちな期末のPC室の席争いに参加していたようです。

4. ブラインドタッチを全くできない人は1割

ブラインドタッチとは、キーボードを見ずに画面を見ながら文字を入力すること。文字入力のスピードを上げる上で重要なスキルです。

ブラインドタッチを「できる・ある程度できる」と回答した人の割合は約5割。全くできないとの回答は約1割と、同じ大学生の中でもキーボード入力に関しては差があるという結果がわかりました。

LIMO・U23編集部からは、「大学までPCを使ってこなかったから、ブラインドタッチを取得するのに苦労した」という意見もありました。

5. フォルダー・階層は耳なじみがない人が1割以上

次にフォルダー階層構造の理解度について。

「理解している」は約5割ですが、質問の意味がわからないという回答も1割存在しています。

スマホだけではなかなか馴染みのない言葉のため、意識せず使っている人も多いかもしれません。

フォルダー整理ができていないとファイルを探すのに時間がかかったり、間違って必要なファイルを消してしまったり……など「PC苦手そうな人」と思われる原因になってしまいそうです。

6. ショートカットキーは

最後に、PC操作をより効率よく行うためのショートカットキーの理解度について。

ショートカットキーとは、キーボードでパソコンを効率よく簡単にするための操作法の一種です。

  • Ctrlキー+Cを押すと、選択した項目をコピー
  • Ctrlキー+Vを押すと、選択した項目を貼り付け

など、右クリックでわざわざ選択しないといけない機能がキーボードのみで簡単に行えるという時短にもってこいの優れものですが、主要なショートカットキーを知らない人は約2割存在しています。

講義の資料などをメモっておくときにコピペは欠かせない存在だと思うのですが、コピペのショートカットキーすらも4割は知らないという結果です。

LIMO・U23編集部の7名は、普段WEBメディアでインターンをしているので、コピペのショートカットキーを使いこなしている人が多く、認知度の低さに驚きを隠せないとのことでした。

7. 社会人がよく使うツールは不慣れ?

社内のコミュニケーションツールとして使われることも多い「slack」「chatwork」などのチャットツールに関しては、ある程度できると答えた人は4割で自信がない学生が過半数を超えています。

インターンではチャットツールの「slack」を使っています。LIMO・U23編集部のメンバーもインターンの業務や活動の一環でチャットツールを使うことはありましたが、大学のサークルではLINEのオープンチャットを使うことが多かったとのことです。

社会人がよく使うチャットツールは使用機会が少なく、自信のなさにつながっているのかもしれません。

8. マウスは好みの問題かも

マウスの使用度は約6割でした。

ほとんど使ったことがない、使ったことがない人は、36.8%とマウス自体に馴染みがない人も目立ちます。

私自身はマウスを持ち歩くとなると荷物が増えてしまうので使用頻度は減りましたが、発表用のスライドをPowerPointで作る時や図版作成など細かいデザイン面では「マウスがある方が便利だな」と感じることもあります。

LIMO・U23編集部でマウスを使っていない人からは、以下の意見が出てきました。

  • 「マウスをわざわざ持ち歩くのがめんどくさい」
  • 「教室では机が小さくてマウスが邪魔になるから」
  • 「トラックパッド操作に慣れているため、マウスを使う気にならない」

一方で、「トラックパッド操作が苦手でマウスを使っている。腕を動かさずに狭い場所でも使えるトラックボールのマウスを購入した。」というマウスへの愛を感じる意見もありました。

マウスを使用するかについては、デジタル機器に強いかどうかよりも、好みの問題があるかもしれません。
PCをよく使う人にしか伝わらないかもしれませんが、自分のこだわりを持った使いやすい製品を選ぶと、講義もお仕事も楽しくなるかもしれませんね。

9. 新人研修時は「全く知らないもの」と思った方が無難

大学生へのITリテラシー調査を見てきました。デジタルネイティブといわれていますが、スマホを指したものだと思った方がいいかもしれません。PCの理解はひとそれぞれです。

新卒学生の教育を担当される方は、「まったく知らないもの」だと思って話をした方がギャップが生まれずスムーズにPC教育ができるかもしれませんね。

LIMO・U23編集部の皆さんにITリテラシー調査をすると、社会人になるまでにMicrosoftを一通り使えるように資格の勉強を行おうと思っている、というような前向きな意見も見受けられました。

大学生のうちに効率よくPCを使えるようになると、社会人生活でも重宝される存在になれるかもしれません。

参考資料

LIMO・U23編集部