3. 【未婚者】年収1000万円の「手取り額」はいくらか
次に、未婚者で年収1000万円の人の手取り額を以下の条件でシミュレーションします。
シミュレーション条件
- 東京都勤務の45歳会社員
- 年収1000万円(月給60万円×12ヶ月+ボーナス140万円×2回)
- 独身
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除の適用なし
シミュレーション結果は以下のとおりです。
- 健康保険料(介護保険料含む):58万3000円
3万4869円(月給分)×12ヶ月+8万2149円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 厚生年金保険料:76万7000円
5万3985円(月給分)×12ヶ月+5万9475円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 雇用保険料:6万円
1000万円×0.6%
- 所得税:82万1000円
(1000万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー195万円(給与所得控除)ー140万9496円(社会保険料控除))×20%ー42万7500円+1万6897円(復興特別所得税)
- 住民税:62万6000円
(1000万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー195万円(給与所得控除)ー140万9496円(社会保険料控除)×10%+5000円(均等割)
- 手取り:714万3000円
1000万円ー58万3000円(健康保険料)ー76万7000円(厚生年金保険料)ー6万円(雇用保険料)ー82万1000円(所得税)ー62万6000円(住民税)
*各数値の計算で四捨五入をおこなっているため、計算式と計算結果が一致していません。
手取り額は714万3000円で手取り率は約71.3%です。既婚者よりも、大きく手取り額が減ります。これは、配偶者を扶養する人に適用される配偶者控除が未婚者には適用されないためです。
そのため、所得税と住民税が既婚者よりも高くなっています。同じ年収でも、未婚者は配偶者を扶養する既婚者と比べて手取り額が少ないことを覚えておきましょう。
4. 転職や副業で年収アップを目指そう
年収が上がれば社会保険料や税金は高額となりますが、自由に使えるお金が増えることは確かです。
そのため、現在の生活に金銭的な不満を感じている人は、ぜひ転職や副業での年収アップを目指してみてください。現在は転職サイトやクラウドソーシングサイトなど、転職や副業をおこないやすいサービスが増えています。
ぜひ、これらのサービスの利用も検討しながら年収アップを目指してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 国税庁企画課データ活用推進室「令和4年分民間給与実態統計調査について」
- 東京都「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 」
- 厚生労働省・都道府県労働局長・ハローワーク「令和5年度雇用保険料率のご案内 」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 埼玉県「個人県民税」
苛原 寛