かつて話題となった老後2000万円問題ですが、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

筆者の元に資産運用の相談にくるお客様の中にも、「老後2000万円問題が気になって…」と仰る方は多くおられます。

しかし「2000万円」は目安にすぎず、老後の必要資金は世帯によっても様々です。

実際のところ、老後の必要資金として2000万円以上が必要になるケースも少なくありません。

とはいえ、話題に挙がった2000万円を準備できている方がどれくらいいるのかは、皆さん気になるところではないでしょうか。

そこで今回は、70歳以上の世帯に絞って、貯蓄2000万円をクリアしている世帯の割合を確認していきます。

また、厚生年金や国民年金の平均月額も併せてみていきましょう。

今実際に年金を受け取っている方の実態がつかめると、自分自身の老後も少しイメージが沸くかもしれませんね。

1. 70歳代以上世帯「貯蓄2000万円超」の世帯はどれほどいるのか

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」より、70歳代以上の貯蓄事情を見ていきます。

1.1 70歳代以上の平均貯蓄額:2311万円

70歳代以上世帯187万4554世帯の平均貯蓄額は2411万円です。

ただし、世帯ごとに貯蓄事情は異なりますので、貯蓄額別の世帯数と割合を見ていきましょう。

70歳代以上の貯蓄額別の世帯数(割合)

  • 100万円未満:14万896世帯(7.94%)
  • 100万円~:6万4999世帯(3.47%)
  • 200万円~:6万426世帯(3.22%)
  • 300万円~:6万9205世帯(3.69%)
  • 400万円~:6万2104世帯(3.31%)
  • 500万円~:7万670世帯(3.77%)
  • 600万円~:5万2589世帯(2.81%)
  • 700万円~:4万9056世帯(2.62%)
  • 800万円~:6万433世帯(3.22%)
  • 900万円~:4万6408世帯(2.48%)
  • 1000万円~:10万9329世帯(5.83%)
  • 1200万円~:8万5755世帯(4.57%)
  • 1400万円~:6万9842世帯(3.73%)
  • 1600万円~:8万2145世帯(4.38%)
  • 1800万円~:5万9305世帯(3.16%)
  • 2000万円~:15万265世帯(8.02%)
  • 2500万円~:12万1065世帯(6.46%)
  • 3000万円~:17万7308世帯(9.46%)
  • 4000万円~:33万4754世帯(17.86%)

70歳代以上世帯のうち「貯蓄額2000万円」を保有する世帯は合計78万3392世帯。

全体の約42%を占める結果に。

一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%です。

貯蓄が少ない状態で過ごす老後は不安が大きいと想像できます。

では、終身で受け取ることができる国民年金や厚生年金はいくらぐらいになるのでしょうか。