3. 年金だけで暮らすシニア世代は44.0%

年金の平均的な受給額を確認したところで、冒頭で触れた「純粋に年金だけで暮らす高齢者」の実情を詳しく見ていきましょう。

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金を受給する高齢者世帯で「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は44.0%でした。

残りの半数以上のシニア世代は、稼働所得や財産所得、仕送りや個人年金などで年金だけでは足りない不足分を補填している状況が見受けられます。

現代において老後生活を安定させるには、個々の備えが必要不可欠。老後に必要となる経費を洗い出し、細やかにシミュレーションすることが第一歩になるでしょう。

4. 老後の収支も見据えて老後対策を

総務省から公表された「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」では「65歳以上の夫婦のみ無職世帯」の家計収支の詳細がまとめられています。

この統計によれば、65歳以上夫婦の平均支出月額は26万8508円。これは、国民年金の平均受給額を大幅に上回る数字です。また、厚生年金を受給する方でも、年金額によっては赤字になる可能性があるでしょう。

収入が年金だけの場合、ゆとりある老後生活の実現は難しいのが現実かもしれません。

なるべく早いうちから情報収集を行い、2024年から開始予定の新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)、個人年金保険などの利用を検討してみてください。

参考資料

荒井 麻友子