学校で勉強する科目の中で、暗記することが多い科目の筆頭として上げられるのが「社会」ではないでしょうか。

小学校3年生から学ぶ社会は5年生以降は明確に「地理」「歴史」「公民」に分類されて勉強するようになります。いずれの分野も暗記が必須で、用語を覚えなければ高得点を取るのが難しい教科です。

こうした特徴もあり、一般的に「暗記すれば何とかなる科目」と思われてしまうことがありますが、実際は暗記だけで乗り越えるのは容易ではない科目です。

今回は暗記科目と誤解される社会の奥深さ、学ぶことでどのようなスキルを子ども達は身につけることができるのか考えていきます。

「社会」は、学び方の変化で暗記だけでは太刀打ちできない教科に

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小学校そして中学校での社会のテストの攻略法は「出題される単元の重要用語を覚えれば何とかなる」という考えが浸透していました。

中学生になるとテストでは記述問題が出ますが、出されやすいテーマは決まっており「解答の型」を覚えていけば点数が取れると考えている子ども達も少なくありません。

しかし、「解答の型」を覚えていてもテストによっては内容は異なるため、それに合わせて答えも書いていかなければならず「暗記すれば大丈夫」というものでもないです。

そして、2020年度から小学校で、翌年2021年度から中学校で学習指導要領が改定されました。

このことで学び方は親世代の頃より変化し、国の方針の一つとして「思考力・判断力・表現力等の育成の重視」を掲げています。

そのため、文章題や記述問題が増加しており「用語を暗記しておけば社会の対策になる」という時代ではなくなっています。

「社会」に出てから役立つスキルを育てる教科

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そもそも、社会の学びは新学習指導要領で重視されている思考力や判断力、そして表現力の力を育てる学問です。

グラフといった数学的な資料を読み込み、そこから考えられることを推察する力を鍛えることができます。段階を踏んで結論へと導き出すには憶測ではなくデータに基づいた論理的思考力が不可欠です。

用語を暗記しただけでは資料から分かることを的確に説明することはできません。とくに今の公教育の学びは親世代の頃に比べると「資料を正確に読む力」「自分の言葉で説明する力」「それが正しいのか客観的に見る力」を重視しています。

先行き不透明な時代は自分の頭で考えて動けるかどうかが進学や就職でも重要なポイントになります。

社会の勉強を通じて大人になってから役立つスキルを身につけることができることを子どもが小学生の頃から意識しておくことは決して無駄なことではないです。