企業規模別の平均貯蓄額も確認

前述した政府統計の総合窓口「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、従業員数別の平均貯蓄額は以下の通りです。

企業規模が大きい方が貯蓄も多い傾向にあり、従業員数が1000人以上の企業では平均貯蓄額が1775万円となっています。

大企業で働く人との差を埋めるには「資産運用」の検討も視野に

今回解説したように、中小企業で働く方と大企業で働く方とでは「退職金」「年収」ともに差があります。企業によっては大企業に勝るケースもあるでしょうが、平均値で見るとその差は歴然です。

老後を迎えた際に、より多くの資金を貯蓄できている可能性が高いのも大企業に勤めている方と言えるでしょう。

中小企業にお勤めの方が大企業で働く方との差を埋め、老後生活にゆとりを持たせるには、資産運用によって運用益を確保することが重要です。

資産運用と言っても幅が広いのですが、リスクを抑えつつ、長期的な資産形成を考えるのであれば、以下のような方法が適していると言えます。

  • 確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)
  • つみたてNISA(2024年以降は新NISAのつみたて投資枠)

どちらも長期的な資産形成を目的とした制度であり、長期間コツコツと積み立てることによって投資タイミングを分散することができ、長期投資による複利効果も期待できます。

運用益が非課税になるといった税制面でのメリットも享受できることから、老後対策として有効な手段と言えるでしょう。

投資期間が長いほどリスクの低減効果が高く、複利効果も大きくなるので、なるべく早い段階から積み立てを始めるのがおすすめです。

自身のリスク許容度を加味しつつ、自分に合った資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

 

加藤 聖人