仕事はチームで進めることがほとんどです。円滑に業務を行うためにチームメンバーとのよい関係づくりと密なコミュニケーションが欠かせないという職場も多いでしょう。そこで今回はビジネスパーソンが職場の雰囲気づくりで心がけていることについて尋ねてみました。

率先してあいさつをする

あいさつなど当たり前のように感じられるかもしれませんが「職場では誰もあいさつをしない」という声は意外なくらい聞かれるものです。「おはよう」という言葉さえ交わさないという職場も多くあるといいます。

一部上場企業での社長経験もあるA氏は「あいさつはすべての基本です。職場の人とあいさつさえできない人がお客さまとのコミュニケーションを満足にすることはできません」と断言します。

普段はしていなくても外ではできる、という人もいるかもしれませんが「日頃の行いはふとしたときに出るものですよ」とA氏は語ります。あいさつをしあう雰囲気作りができてくると職場のコミュニケーションも円滑になり、事業にも好影響があるのだそうです。

お礼を言う

相手が上司に限らず、職場で誰かのお願いごとに対応したり、よりよい結果を出すために行動することはよくあることです。中には何らかのフォローをするために動くこともあるでしょう。ただ、これに対して「やって当然だ」といった態度を見せられてがっかりしたり、モチベーションが下がったという経験を持つ人もいるはずです。

大手企業での管理職経験があり、現在はベンチャー企業で働いているB氏は「本当に『やって当然』と思っているのか『心では感謝しているけど口に出さない』のかはわかりませんが、きちんと『ありがとう』という言葉を伝えたほうが職場のやる気と活気はアップすると思います。これは大企業にいても、少人数のベンチャーにいても感じることですね」と話します。

相手の面子をつぶさない

仕事をしていると、メンバーとの間で意見が違うという局面も出てきます。明らかに相手の主張が間違っていると思っても、お互いに譲らず平行線のままになってしまうこともあるでしょう。先に登場したB氏がもう一つあげたポイントは「そういう時でも相手の面子をつぶさない」というもの。

「単に言い方の問題かもしれませんが、言い負かそうとしたりせず、相手が明らかに間違っていてもバッサリ切らないように心がけています。逃げ場を作るというか、振り上げたこぶしをおろせる場所を作るというか」

「あるコンサルタントから聞いた『面子をつぶすと後々まで尾を引くあつれきの原因になる』という言葉が心に残っていて。みんなが機嫌よく働ける環境を作ったほうがいいに決まってますよね」というB氏。一方で「『甘すぎる』『なんで譲る必要があるんだ』と迫ってくる強硬派がいたり、毎度同じことの繰り返しになったり……難しいですね」と悩む様子ものぞかせていました。

軽く雑談できる雰囲気を作る

C氏はテレワークで仕事をするエンジニア複数人を指揮する業務についた時、テレワークならではの孤独とコミュニケーション不足を解消するためにある工夫をしたといいます。それは「毎日一人1ネタ、雑談のネタを出し合う」というもの。

「最初は皆おっかなびっくりだったのですが、やっているうちに『今日は桜が咲きました』という話題ひとつでも『こちらはまだ雪です』『そうなんですか、全然違いますね!』などとやりとりが弾むようになりました。こうしたやりとりができるようになると、コミュニケーションが非常にスムーズになりましたし、揉め事はほとんどなくなりました」と話します。

一緒に仕事をする仲間と同じ場所にいる機会が少なく、普段はほとんど一人で仕事をすることになりがちなテレワークという独特な環境ではあるものの、全体の雰囲気づくりに「雑談」が一役買った例といえそうです。

まとめ

いかがでしたか? もちろん会社の成長や組織としての目標を達成するために厳しい雰囲気を共有するといった局面も時にはあるのでしょうが、普段はできるかぎりよい雰囲気を作っていこうと様々な立場から工夫しているビジネスパーソンの姿が読み取れます。また、立場を問わず、相手の気持ちや考えを想像して行動することは大切な要素だといえそうですね。

LIMO編集部