FXの取引手法:デイトレードで成功するための考え方 

FXの取引手法には、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、長期トレードなどがあります。デイトレードはその名のとおり、エントリーから決済までをその日のうちに行うトレード手法です。1日数時間程度の時間が確保できればトレードできるため、会社勤めの人が、帰宅後に行うこともできます。ただし、成功のためにはいくつかのポイントがあります。以下で解説します。

目次

1 スキャルピング、デイトレード、スイングトレードの違い
2 デイトレードのメリットとデメリット(リスク)
3 デイトレードで使うのは「5分足」~「15分足」
4 デイトレードはボラティリティの大きい時間帯で
5 曜日によって相場の活況度合いが異なる
6 デイトレードで勝つために必要な知識と考え方
7 デイトレードのトレード手法
8 デイトレードのトレード手法(実践編)
9 スキャルピングか、デイトレードかスイングトレードか
10 デイトレードの利益確定(利確)目標、損切りの設定は
11 まとめ

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1 スキャルピング、デイトレード、スイングトレードの違い

FXのトレードには、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなどがあります。これらの違いは、ポジションを保有している時間です。スキャルピング(超短期売買)、デイトレード(短期売買)、スイングトレード(短中期売買)、長期トレードなどと呼ばれます。

デイトレードはその名のとおり、新規の注文(エントリー)から決済までを1日の間で行うトレード方法です。ただし、FXでの「1日」は24時で切り替わるのではなく、ニューヨーク市場のオープンとクローズ(日本時間の午前7時・サマータイム時は午前6時)で変更されます。超短時間で売買を行うスキャルピングもポジションを翌日に持ち越さないという点では、デイトレードの一種です。

これらに対して、スイングトレードのポジション保有期間は、数日から数週間程度です。長期トレードはさらに長く、数か月から1年以上、ポジションを保有することもあります。

2 デイトレードのメリットとデメリット(リスク)

デイトレードの最大の特徴はポジションを翌日に持ち越さないことです。このため、それがそのままデイトレードのメリットとデメリットになります。

メリット1:サラリーマンなど時間がない人でも売買できる

会社員の人などで、帰宅後に数時間の時間があればトレードをすることができます。ボラティリティ(値動き)が大きい日には、日本時間の夜だけでも100pips以上も動くときがあります。短時間で利益を得られるチャンスがあります。

メリット2:リスクが限定されている

デイトレードでは、ポジションを翌日以降に持ち越しません。このため、「寝ている間や週末のマーケットクローズの間に値段が動いて強制ロスカットになった」といったことはありません。スワップポイントを支払うこともありません。

メリット3:複利効果を生かせるため資金効率がいい

運用で得た収益を再び投資することで得られる効果を「複利効果」と言います。たとえば年利1%の金融商品に投資をする場合、「単利」だと、資金が2倍になるまで100年かかります(税金・手数料などを除く、以下同)。ところが、投資で得た金利も含めてすべて再投資をする「複利」なら、2倍になるまで約72年でいいのです。

複利効果には「72の法則」と呼ばれるものがあり、資金が2倍になるには72を利率で割ればわかります(概算)。たとえば年利が3%なら、2倍になるのにかかる期間は24年です。FXのデイトレードなら、結果はその日のうちにすぐ出ます。皮算用ですが、1日間で資金(預け入れた証拠金)の1%儲けられるなら、72日間で資金は2倍になります。

デイトレードにはいくつかのメリットがある一方で、短期売買がそのままデメリット(リスク)になります。

デメリット(リスク)1:決済のタイミングの判断が難しい

デイトレードでは、ポジションを翌日以降に持ち越さないので、その日のうちに決済をしなければなりません。会社員の人であれば、翌日の仕事のために、遅くても午前1時ぐらいには就寝したいところでしょう。そこでまだ赤字(含み損)の場合、決済をためらいがちです。逆に利益が出ていて、さらに伸びそうな場合でも、「時間切れ」で、決済しなければならないこともあります。

デメリット(リスク)2:デイトレードであるがゆえの見切り発車になりがち

デイトレードでは、その日のうちにエントリーから決済までを行わなければなりません。午前1時に就寝しようと思っている場合、0時を越えてからエントリーしたのではトレードする時間が少なくなります。このため、できるだけ早くエントリーしたいと感じ、まだ売買のサインが出ていないにもかかわらずエントリーしてしまいがちです。ボラティリティが少なくもみ合っている日に突っ込んでいって、損をすることもあります。

デメリット(リスク)3:「今日中に取り戻したい」という思いがミスに

デイトレードではどうしても「今日中に結果(利益)を出したい」と考えがちです。そのために、アジア時間で損した分を、ロンドン時間やニューヨーク時間で取り戻したいと考え、パソコンのモニターの前に張り付くことになります。それで実際に取り戻せばいいのですが、安易にエントリーして早々から含み損が続いたり、急な値動きに飛びついて「往復ビンタ」になったりします。さらに、けっきょく朝までトレードしてしまい、寝ないで会社に行くといったことでは、何のためにトレードをしているのかわからなくなります。

3 デイトレードで使うのは「5分足」~「15分足」

株式やFXのチャートではローソク足を用いるのが一般的です。ローソク足には、時間軸ごとに1日分の値動きを表示する「日足(ひあし)」、1週間の「週足(しゅうあし)」、1か月の「月足(つきあし)」などがあります。さらに、1時間の「時間足(じかんあし:1時間足、60分足と呼ぶこともあります」、「30分足」、「15分足」、「10分足」のほか、5分単位の「5分足」、1分単位の「1分足」などもあります。

デイトレードで取引をするトレーダーは「5分足」~「15分足」を使っている人が多いようです。もっと長い「30分足」や「1時間足」でトレードをする方法もないわけではありませんが、会社勤めの人が帰宅後にデイトレードするとすれば、長くても3~4時間程度しか使えないでしょう。その間に1時間足で判断すると、2、3本の足の動きしか見ることができません。

デイトレードの場合、「日足」や「4時間足」などの動きを考慮しながら、「5分足」~「15分足」で、売買のタイミングをはかってエントリーするというのが一般的です。

4 デイトレードはボラティリティの大きい時間帯で

為替市場は24時間365日動いています。ただし、相場が活況な時間帯とそうでない時間帯があります。活況な時間帯とはもちろん、市場に参加する人が多い時間帯です。続に3大市場と呼ばれるのが、「東京外国為替市場」「ロンドン外国為替市場」「ニューヨーク外国為替市場」です。

おすすめはロンドン時間です。なぜなら、ロンドン外国為替市場は世界で最大の市場で、取引高のシェアは世界の35%を占めると言われています。まさに世界の金融センターです。ニューヨーク外国為替市場はロンドンに次いで約20%のシェア。東京外国為替市場のシェアは6~8%程度にすぎません。

そういう点では、東京時間は取引参加者も少なく、「相場があまり動かない時間」です。香港やシンガポールの市場と合わせた「アジア時間」全体として見ても、大きなトレンドになるよりは、レンジでもみ合うことが少なくありません。ロンドン時間に入ると、多くの投資家が参加することから方向感も出て、判断もしやすくなります。

5 曜日によって相場の活況度合いが異なる

FX市場では、一日の時間帯だけでなく、曜日によっても相場の活況度合いが異なります。背景にはFXトレードの場合、短期取引をする人が多いことが挙げられます。特に大きな金額を動かす金融機関などのプロのトレーダーは、リスクを抑えるために週末にポジションを閉じてしまいます。

このような背景があるため、月曜日は様子見になりやすくなります。特に東京時間の月曜日は、ロンドン勢もニューヨーク勢も日曜日の深夜で休んでいます。参加者も少なく流動性も低くなりがちです。ただし、週末に大きなニュースがあり、レートが窓をあけて始まるようなことになると、月曜の朝から活発に動くこともあります。

火曜日~木曜日は、徐々に資金も流入してきて動きが活発になります。特に、重要な経済指標が発表されるようなときには、大きなトレンドになることがあります。金曜日は参加者も多くボラティリティも高いものの、乱高下しやすいだけに注意が必要です。木曜日までに大きく儲けているトレーダーは、リスクを冒して大きな投資をする必要がありません。一方で、木曜日までに損をしているトレーダーは、金曜日に儲けで終わりたいと狙っています。価格が上昇したと思ったら利益確定の売りが一気に出たり、要人の発言などをきっかけに急に動き出したりします。なかなか難しいところです。

6 デイトレードで勝つために必要な知識と考え方

以下では具体的に、デイトレードで勝つための手法について紹介していきます。その前に、その前提となる知識と考え方を身に付けておきましょう。ポイントは「時間」です。

デイトレードの前提1:相場は動く日もあれば、動かない日もある

FXに限らず、相場は動く日(ボラティリティが高い日)もあれば、動かない日(ボラティリティが低い日)があります。「当たり前だ」と言われそうですが、デイトレードで失敗する人の中には、相場が動かない日に無理にエントリーをして失敗する人が少なくありません。「今日はせっかくデイトレードができるのだから、なんとか利益を取りたい」という思いからでしょう。

前述したように、FXには動かない時間帯、動かない曜日があります。特に月曜日はアジア時間だけでなくロンドン時間やニューヨーク時間にも値動きが小さいのが普通です。

デイトレードの前提2:1日に100pips以上動く日もある

たとえば、米ドル/円やユーロ/米ドルの場合、1日に上下20pipsほどしか動かない日もあれば、100pips以上動く日もあります。上下20pipsほどしか動かない日は5pips取るのも容易ではありません。一方で、100pips以上動くような日は、多少出遅れても数十pips取れることもあります。大切なのは、そのようなトレンドが発生したときに、そのチャンスをしっかりと生かすことです。

デイトレードの前提3:祈っていても相場は動かない

デイトレードではその日のうちに決済を行います。このため、エントリーしたら、「もっと上がれ」と祈るような気持ちになりがちです。特に含み損を抱えているような場合は「せめて建値(エントリーした価格)まで戻れ」と考えることでしょう。

残念ながら、その思いはなかなか通じず、むしろ予想と反対に動くことも珍しくありません。FXではむしろ、「材料がなければ動かない」と考えていたほうがいいでしょう。材料はさまざまで、米雇用統計などの指標の発表のほか、要人の発言、米国株式市場の結果などです。時には「中東の投資家が大口の買いを行った」といったこともないわけではありませんが、レアケースです。

7 デイトレードのトレード手法

具体的に、デイトレードのトレード手法はどう考えるべきでしょうか。トレーダー一人ひとり、さまざまな手法があると思いますが、以下にその一例を紹介しましょう。

1:その日のおおまかなトレンドを予想する

デイトレードは5分足~15分足のチャートを使ってトレードする人が多いようですが、それだけを見ていると「木を見て森を見ず」になってしまいます。4時間足や日足なども見ながら、今どのような状況なのか(上昇トレンドか、下降トレンドか)を見極めます。さらに、アジア時間とロンドン時間、ニューヨーク時間の動きなどから、これから数時間の値動きを予想します。

2:現在は「上昇」か「下降」か「もみ合いか」

5分足などだけを見ていると、上下にランダムに価格が行ったり来たりしていても、4時間足や日足などの上位足を見ると、「上昇トレンドの一部」であったり「下降トレンドの一部」であったり、「レンジの一部」であったりするものです。その中で、順張りするのか逆張りするのか。順張りであれば、押し目買いを狙います。逆張りであれば、上値抵抗線あたりから売りで入ります。

3:どこから入るか、どこで利食いをするか

エントリーや利食いのタイミングも、人によってさまざまです。買いで入る場合、価格帯をベースに「上値抵抗線を抜けたら買い」「下値支持線で反発したら買い」など、エントリーのタイミングを決めておきます。

価格ではなく、ボリンジャーバンドのミドルバンド(25日移動平均線)や2σ、3σとの関係で決めている人もいます。利食いについても、「○pips取れたらすぐ決済」という人や、こちらもボリンジャーバンドで、「2σよりも内側に戻ってしまったら決済」という人もいます。

8 デイトレードのトレード手法(実践編)

具体的なトレード手法を紹介しました。実際に資金を投資してトレードをする際には、以下のような点に注意するといいでしょう。

勝てる曜日、時間はいつか

自分の勝ちパターンを分析し、どの曜日の、どの時間帯に勝ちが多いのか、逆に、どの曜日のどの時間帯に負けが多いのかを分析してみるといいでしょう。ちなみに、FX初心者で負けているという人の多くは、動いていない時間帯に安易にエントリーして失敗する傾向があります。

FX初心者の人であれば、まずはロンドン時間の午前8時(日本時間の夏時間で16時、冬時間で17時)~12時(同、夏時間20時、冬時間21時)ごろをお勧めします。この時間帯はFXの市場の中でも参加者が多く、流動性が高い時間帯だからです。値動きも大きく、トレンドも発生しやすくなります。

米国の指標の発表時間に注意

米国では重要な指標の多くが午前8時30分(日本時間:夏時間21時30分、冬時間22時30分)に発表されます。中でも、毎月第1金曜日の午前8時30分に発表される雇用統計は非常に注目される指標であり、その結果次第で相場が大きく動きます。

このような指標の発表日時を知らずに突然相場が動き出して慌てることのないようにしたいものです。FX会社ではどこでも主要な指標の発表日時を記載したカレンダーを用意していますのでチェックしておくようにしましょう。

ここで重要なのは、指標の発表のどのタイミングでエントリーするかです。指標の内容を見越して(予想して)注文を出しておくこともできますが、予想と逆になった場合は大きなリスクになります。FX初心者の人は、指標発表前にいったん決済してポジションを閉じてしまうか、指標発表後の動きを見てからエントリーするほうが安全でしょう。

時にはポジションを翌日以降に持ち越すことも

デイトレードは原則として、エントリーから決済までをその日のうちに行います。ただし、「その日のうちに決済しなければならない」というわけではありません。深夜1時ぐらいになって、就寝しなければならないようになっても「まだ伸びそうだ」と考えれば、そのままポジションを持ち続けてもいいのです。

もちろん、ストップロス(逆指値注文)は入れておきますが、それ以外にも、OCO注文で利益確定注文と逆指値注文を同時に出したり、トレール注文(相場の上下に合わせてストップロスの値を切り上げたり切り下げたりする注文方法)などを利用すれば、利益も伸ばしながらリスクも抑えることができます。

9 スキャルピングか、デイトレードかスイングトレードか

前述したように、デイトレードでもポジションを翌日以降に持ち越すこともあります。ここで大切なのは、どのような場合に持ち越すのか、自分なりのルールを決めておき、それを守ることです。そのルールに従った結果、翌日以降に持ち越すことが多いのであれば、デイトレードではなくスイングトレードにシフトしたほうがいいでしょう。

逆に言えば、スキャルピングならスキャルピングの、デイトレードならデイトレードの勝ちパターンができていないうちは、実際に資金を投入してトレードを行うべきではありません。「時間がないからスキャルピング」というのでは成功しません。ちなみに、使っているローソク足の時間を15分足から1分足にすればデイトレードがスキャルピングになるわけではありません。スキャルピング、デイトレード、スイングトレードと、それぞれの値動きや狙うべきエントリー、利食いのタイミングは異なります。

デイトレードかスイングトレードか迷ったら、最初はスイングトレードがいいでしょう。なぜなら、デイトレードは、東京時間(アジア時間)、ロンドン時間、ニューヨーク時間と、動いていくたびに、価格が乱高下することもよくあります。これらの価格の動きを個々に的中させるのは容易ではありません。それであれば、いっそ、「日単位」「週単位」など、大きなくくりで見たほうが予想しやすいでしょう。

FXに限らず、相場は小さな波が上下を繰り返しながらさらに上がったり下がったりして中くらいの波になり、中くらいの波が上下しながら大きな波になります。大きな波(トレンド)は一度発生するとしばらく継続するという特徴があります。一口で言えば、小さな波よりも大きな波のほうが、今後の動きを予想しやすいのです。

10 デイトレードの利益確定(利確)目標、損切りの設定は

デイトレードではどれくらいの利益確定(利確)目標を設定すればいいでしょうか。トレーダーのスタイルにもよりますが、20pips以上は取りたいものです。逆に言えば、20pips以上取れるような場面でエントリーしたいところです。デイトレードで5pips程度の利確であれば少なすぎでしょう。それであればスキャルピングのようにトレードの頻度を上げる必要があります。

事前に、どこで入ってどこで利確するのか見えないようなエントリーはすべきではありません。ただ、このあたりはメンタル的な面もあり、なかなかシナリオ通りにはいかないものです。多くのFX会社では、デモトレードができるようになっています。まずはデモトレードで、自分なりのトレードがうまくいくかどうか試してみるといいでしょう。いずれの方法を採るとしても、首尾一貫して実行することです。そうでないと検証もできません。

11 まとめ

ここまでデイトレードの特徴やトレードで成功するためのポイントなどについて解説してきました。大きな特徴は、相場が動くタイミングを見極め、しっかりと捉えることです。一方で、FXではボラティリティが小さい曜日、日時などもあります。「ポジポジ病」にならないよう、時には休むという判断も大切です。しっかりと知識を身に付け、デイトレードの勝ち組になってください。

LIMO編集部

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LIMO編集部

LIMO編集部は、証券アナリストなど金融業界で長年の調査経験を持つメンバーを中心に構成されています。金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報ををわかりやすくお届けします。