4.3 個人住民税
前年中の所得に対してかかる住民税についても、年金所得が一定になれば課税され、天引きで納める形となります。
保険料とは異なり、一定の収入に満たなければ非課税となり、支払い義務がないケースもあります。
また、障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税となります。
4.4 所得税および復興特別所得税
一定額以上の年金にも、給与などと同様に所得税がかかります。公的年金は雑所得となり、65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。
また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税もかかります。
ただし、こちらも障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税です。
5. 老後に向けて年金以外の準備が必要に
今回は厚生年金と国民年金の仕組み、さらに受給額の額面や天引きされるお金について見てきました。
制度について初めて知った方や、理解がより深まったと感じる方もいらっしゃるでしょう。
今回の内容で、「思っていたより年金の手取りは少なくなりそう」と不安になった方も少なくないはず。
税金を引かれた上に、健康保険や介護保険などの社会保険料も天引きされるため、手取りの年金受給額はさらに減る可能性があります。
将来の老後生活を年金任せにしておくのは少し危険かもしれないですね。不安に感じた方は、年金とは別に老後の貯蓄を作っておくことを検討してみてください。
少しずつでも老後の貯蓄をしていくのもよし、小額からつみたて投資をするのもよし。
将来の貯蓄を作るための方法は様々です。
老後に向けて、自分に合う方法で老後の貯蓄について考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
奥田 楓也