国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、全国の注文住宅取得世帯における住宅の選択理由は、「信頼できる住宅メーカーだったから」が54.7%で最も多いです。

次いで「一戸建てだから」(42.0%)、「新築住宅だから」(40.9%)、「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」(37.2%)と続いています。

一方、分譲戸建住宅取得世帯では「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」と回答した方は33.8%となっていることからみても、注文住宅取得世帯の方が住宅のデザインや設備を重視していることがうかがわれます。

そんな中で「吹き抜け(複層階に渡る連続した空間)」は、注文住宅において以前から多く採用されています。

開放感を演出することができて視覚的に空間が広く感じられる、冬でも効果的な採光が得られる、上下階がつながるので家族間のコミュニケーションが取りやすいなどが主なメリットです。

しかし一方では、吹き抜けのある家としたことで「後悔」している人も少なくありません。

そこで本記事では、吹き抜けを採用した人の失敗談や吹き抜けを設置する際の注意点などを紹介したいと思います。

注文住宅を建てて憧れの吹き抜けを採用した人の失敗談6選

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マイホームに吹き抜けを設置して後悔した人の実際の事例には、次のようなものがあります。

  • 広島県40歳代:吹き抜けは、夏場は風が通りやすくて良いものの、冬場は暖房が効きにくくて寒いので後悔しています。
  • 埼玉県40歳代:玄関から2階にかけて吹き抜けがあるのですが、埃をかぶって掃除がしにくく、空間が広い分エアコンの効きも悪くなってしまいます。
  • 大阪府50歳代:吹き抜けは見栄えが良いのですが、冷暖房が効きにくくなるため少し後悔しています。
  • 埼玉県40歳代:玄関の吹き抜けは掃除がしにくいので、不要だったと思います。
  • 大阪府50歳代:吹き抜けを作ったために、冷暖房の効きが悪くなってしまいました。
  • 兵庫県50歳代:1階の玄関から2階へ上がる階段のスペースを吹き抜けにしたため、1階のキッチンからの臭いや夏の暑さ、音が2階にダイレクトに伝わり、後悔しています。

吹き抜けは視覚的に空間を広く見せることができて、大きな窓を設置すれば冬でも効果的な採光が期待できるメリットがあります。

しかし多くの人が感じているように、冷暖房の効きが悪くなってしまいがちです。

特に冬場は暖房をしても暖かい空気はどんどん上に行ってしまうので、1階部分には冷たい空気が滞留してしまいます。

また音や臭いが2階部分にまで広がってしまうほかに、メンテナンスには高所作業が伴うので危険なため、自分達では対応しきれなかったりすることが考えられます。