サイバーエージェント(4751)はインターネット広告代理店最大手として知られていますが、現在はインターネットTVのAbemaTV事業の立ち上げに注力中で、同事業に先行投資として年間約200億円を投じています。

同社の部門別の2017年9月期の営業利益実績および2018年9月期の営業利益予想を見ると、下記のようになっています。

広告事業:2017年9月期187億円→2018年9月期予想210億円
ゲーム事業:同265億円→同260億円
メディア事業:同23億円→同30億円(AbemaTVを除く)
先行投資(AbemaTV)事業:同▲209億円→同▲200億円

このように、現状では同社の屋台骨を支えているのはゲーム事業です。ただし、2018年9月期のゲーム事業の利益は、前期比で若干減益と保守的な計画となっています。また、広告事業の営業利益とAbemaTV事業の投資額(営業損失)とがほぼバランスしている状態です。

2017年9月期の売上高が3,713億円、営業利益が307億円規模の同社で、AbemaTV事業に対する年間200億円規模の投資というのは、大きな経営判断と言えるでしょう。

元SMAPのメンバーが出演する番組を作成する等、話題性やユーザーの拡大は見られます。また、同社の過去の経営判断には評価すべき点が多々ありますが、AbemaTV事業の進捗については現状ではまだ具体性を議論できる段階にあるとは言えません。今後、収益貢献の兆候を確認していきたいところです。

本稿は「個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)」記事のダイジェスト版です。全文は以下からどうぞ(有料記事)。
>>【AbemaTV】サイバーエージェント(4751)は先行投資事業の見極めがポイント

 

LIMO編集部