4.4 年金から天引きされるお金④所得税
年金額から各種控除や社会保険料を差し引いた課税対象額により所得税が決定され、課税の対象となった場合は年金から天引きされます。
これらを引いた後の実際の振込額は、年金振込通知書で確認できます。
5. 年金以外の蓄えや備えを
今回は、年金制度や標準夫婦に約45万円が支給されるカラクリを紐解いていきました。
「標準的な夫婦世帯には約45万円が支給される」といっても、月額ベースでは約22万5000円、さらにここから税金や保険料が天引きされれば、月額20万円に満たないでしょう。
夫婦2人で毎月20万円の収入で長い老後生活を過ごすことをイメージしてみると、心もとないように感じるかもしれません。
公的年金とは別に老後資金を準備することが重要となるのではないでしょうか。
日銀の金融政策修正により、長期金利が上昇し、メガバンクを中心に預金金利が引き上げられましたね。100倍に!という銀行もありますが、0.001%が0.1%といった変化であり、利息で資産を増やせるものではありません。
安全な預貯金で資産が増える時代を期待しながら、インフレリスクに負けないよう投資を取り入れることも検討してみてはいかがでしょうか。
近年は、非課税という優遇を受けながら少額で毎月コツコツ投資信託を購入していく「つみたてNISA」が話題です。
投資ですので預貯金とは異なり元本割れのリスクがありますが、10年、20年、30年と時間をかけていくことでリスク分散効果を得ながらの運用が可能です。
NISA以外にも、さまざまな金融商品があります。まずはどういう方法があるのかリサーチすることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
奥田 楓也