50歳代で貯蓄ゼロの世帯は、二人以上世帯で約24%、単身世帯では約40%もいます。
決して珍しいケースではありません。
また、これから対策を立てて実行していけば、安定した老後生活を送れる可能性は十分にあります。
本記事を参考に、老後に向けた対策を整理していきましょう。
50歳代「貯蓄ゼロ」は珍しくない!
いまの50歳代前半は就職氷河期世代にあたります。50歳代といえば一般的に収入がピークを迎える頃ではありますが、正規社員として就業できなかった方が少なくないため、他の世代とはやや事情が異なるかもしれません。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より50歳代の貯蓄額を「二人以上世帯」と「単身世帯」に分けて見ていきましょう。
50歳代の貯蓄額:二人以上世帯
50歳代の二人以上世帯の貯蓄額の分布は次の通りです。
50歳代 二人以上世帯の貯蓄額:平均1253万円・中央値350万円
- 貯蓄ゼロ:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100万~200万円未満:5.8%
- 200万~300万円未満:4.2%
- 300万~400万円未満:5.1%
- 400万~500万円未満:3.2%
- 500万~700万円未満:5.0%
- 700万~1000万円未満:5.7%
- 1000万~1500万円未満:8.8%
- 1500万~2000万円未満:6.0%
- 2000万~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
- 無回答:4.6%
平均は1253万円に達しているのですが、平均は一部の大きな資産を保有する方により上振れる傾向にあります。
世の中の一般的な水準という意味では、中央値の350万円の方が感覚に近いでしょう。
また、いわゆる「貯蓄ゼロ」に当たる「金融資産非保有」の世帯は24.4%もいます。すなわち約4世帯に1世帯は50歳代でも貯蓄がない状況です。