総務省「統計からみた我が国の高齢者」によると、65〜69歳の50.8%、70〜74歳の33.5%が働いており、「働くシニア」の割合はいずれも過去最高となりました。

上記の調査結果からもわかるように、現代では70歳まで働く人が半数を占めており、「定年退職を迎えたら年金だけで老後生活を送る」という人のほうが少ないのかもしれません。

人生100年時代といわれている今、長い老後生活を考えた時に「働けるうちは働いて資金を残しておく」という選択はメリットのように思えますが、実は年収額と年金額によっては年金カットがされる可能性もあります。

本記事では、働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」について詳しく解説していきます。

在職老齢年金に関する注意点についても解説しているので、安心した老後を迎えるためにしっかりと確認しておきましょう。

1. 在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金保険に加入している人が「働きながら受け取る厚生年金」のことを指します。

仕事をしながら厚生年金を受け取れるため、2つの収入源を得ながら生活を送ることが可能です。

ダブルインカムとなることから生活に余裕は出ますが、収入額と年金額が一定額以上を超えた場合は、調整される仕組みとなっています。

留意点として、フリーランスや個人事業主といった「厚生年金保険に加入をしていない人」が仕事を続けている場合は、在職老齢年金の適用を受けないため、あわせて覚えておきましょう。

1.1 年収が高いと年金がカットされる?「在職老齢年金」の注意点

在職老齢年金は、働きながら年金を受け取れることから「世帯収入が増額する」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、年収が一定ラインを超えた場合は、厚生年金がカットされる可能性があります。

年金がカットされる基準は、「賃金」と「年金額」の合計金額で決定します。

賃金の年金額の合計額が48万円以下の場合は、年金が「全額支給」となりますが、賃金の年金額の合計額が48万円を超えてしまうと、一部減額または全額支給停止となります。

在職老齢年金は、収入が多い人ほど年金支給額がカットされる制度であるため、年収が高いと「損をしているのでは」と感じるケースも出てくるかもしれません。

なお、在職老齢年金は「厚生年金」のみに適用されるもので、「国民年金」は65歳から制約なしで受給可能となっているため、あわせて留意しておきましょう。

2. 年収が高い人は老後も働くと損をする?

在職老齢年金は、年収が高いと年金カットをされる可能性があり、働くことで本来は受け取れるはずだった金額が減額されることから「損をしてしまうのでは?」と感じた方も少なくないでしょう。

確かに賃金が基準額を超えてしまう場合は年収がカットされてしまうケースもありますが、働くことで2つの収入源を得られることは、老後の安心材料になり得ます。

また、在職老齢年金の受給期間中は、厚生年金保険に加入し続けられるため、将来の年金額を増やすことも可能です。

「年金額が減ってしまう」ということだけに目を向け、収入源を年金1本だけにしてしまうと生活費をカバーしきれない可能性もあるため、週2〜3勤務といった働き方の調整をしながら在職老齢年金の利用を検討するのも良いでしょう。

また、厚生年金保険に加入せずに働く場合は、在職老齢年金の適用外となるため年金がカットされることはありません。

社会保険に加入義務のないパートタイマーとして働いたり、個人事業主として働いたりすることで、年金以外の収入源を確保しながら年金カットを気にせずに働くこともできます。

ご自身のライフプランを今一度見直し、どの選択をするのが自分にとって得になるのかを検討できると良いでしょう。

3. 在職老齢年金の制度を理解し検討をしておこう

本記事では、働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」について詳しく解説していきました。

在職老齢年金は、60歳以降に厚生年金保険に加入している人が「働きながら受け取る厚生年金」のことを指し、年金とあわせて別の収入源を確保できる制度です。

「老後は年金だけで生活していく」というのは昔のことになりつつある現代では、「働けるうちは老後も働く」という選択も検討しなければいけない可能性があります。

とはいえ、年収が高い場合は在職老齢年金の制度を利用することで、年金がカットされてしまうケースもあるため、今一度制度のメリット・デメリットを見直したうえで、利用の有無を検討できると良いでしょう。

年収が高い場合でも、年金カットされずに働く方法もあるため、本記事を参考にどの選択が自分にとって最良かライフプランの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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