4. 現役世代の今できることは

実際の年金額を見て、どのような感想を抱くかには個人差があるでしょう。いずれにせよ、これは今の年金制度の数字になっていることに注意しなければいけません。

また、今の現役世代が年金をもらう際には、今回のモデルケースや算出結果よりも少なくなっている可能性は十分にあります。

もし自分が60歳になった際に改めて何の準備もしていなかった未来を想像してみてください。

孫や子供にお小遣いをもらってやりくりする、老後は節約することだけを意識する、そんな苦しい生活は避けたい人がほとんどかと思います。

今の現役世代は将来に対する不安はあるかもしれませんが、忘れてはいけないのが時間という最大の武器があること。

時間を味方に付けつつ、新NISA制度やiDeCoという国が推奨している運用方法をうまく活用して自分自身の老後に備えていきましょう。

今からでも決して遅くはありません、運用や投資について真剣に向き合ってみる、そんな2023年の師走にしてみてはどうでしょうか。

5. 貯蓄に関連する質問(FAQ)

5.1 Q1.「貯金」と「貯蓄」はどう違う?

「貯金」とは、現金を貯めること、あるいは銀行などの金融機関に預けることを指します。金融機関によっては「預金」と表現することもあるようです。貯金・預金、そして2つを合わせて「預貯金」というケースもあります。

一方、貯蓄とは、上記の貯金に加えて投資信託や株式、債券、外貨預金、不動産、保険、金(ゴールド)などの金融資産全般を指します。ただし、なかには「貯蓄=貯金」を指す場合もあり、考えはさまざまです。

参考:金融広報中央委員会「知るぽると」

参考:金融庁「投資の基本」

5.2 Q2.「貯蓄」と「投資」はどう違う?

「貯蓄」は、銀行の普通預金や定期預金など、安全性重視の金融商品を通じてお金を貯めていくことを指します。一方、「投資」とは、投資信託や株式といった元本割れリスクを伴う金融商品にお金を投じて、最終的に資産を増やすことを目的としています。

広義では、貯蓄に投資信託や株式、債券、外貨預金などを含む場合があります。しかし「貯蓄と投資」で区別する場合には、以下のように使い分けるのが一般的です。

  • 貯蓄=元本割れリスクなし(普通預金・定期預金など)
  • 投資=元本割れリスクあり(投資信託・株式・債券・外貨預金など)

参考:一般社団法人 全国銀行協会「Q.「貯蓄」と「投資」はどう使い分けるのですか?」

参考:金融庁「投資の基本」

5.3 Q3.「貯蓄」も「資産運用」に含まれる?

「資産運用」とは、自分の資産(お金)を金融商品を通じて効率的に増やしていく、あるいは貯めていくことを指します。

一般的に、投資信託や株式などにお金を投じて利益を期待することを資産運用と表す場合が多いようです。銀行の普通預金や定期預金などで得られる利息も、お金を運用により得られるものですので、資産運用といえるでしょう。

貯蓄は、広義では預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険といった金融資産全般を指します。その点では、資産運用には貯蓄も含まれるといえます。

  • 資産運用=金融商品を通じて資産(お金)を効率的に増やす、あるいは貯めていくこと
  • 貯蓄=預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産

参照:日本証券業協会「資産運用とは?」

参考資料

杉田 有毅