老後生活を支える年金は、偶数月の15日に、その前月までの2カ月分が支払われます。
そのため、11月は年金の支給がありません。
年末近くになると、いろいろ物入りになるため、「12月が待ち遠しい…」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、厚生年金・国民年金の平均や、シニアの支出の実態を確認してみましょう。
通常の生活を送るための必要額はどのくらいなのか。また、豊かな生活を送るための必要額はどのくらいなのか、それぞれの目安も紹介します。
長い老後の生活を考えるきっかけになればと思います。
月々もらえる国民年金と厚生年金の平均受給額はいくら?
シニア世代はどのくらいの年金をもらっているのでしょうか。
厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金と厚生年金の平均受給額は以下のとおりです。
国民年金と厚生年金の受給額
- 国民年金の男女全体平均受給額:月額5万6368円
- 厚生年金の男女全体平均受給額:月額14万3965円(老齢基礎年金含む)
- 男性の厚生年金の平均月額:16万3380円(老齢基礎年金含む)
- 女性の厚生年金の平均月額:10万4686円(老齢基礎年金含む)
国民年金と厚生年金では、平均受給額(月額)に約9万円の差があります。
また厚生年金においては、男性と女性の平均受給額(月額)に、約6万円もの差があります。
国民年金(老齢基礎年金)は、20~60歳の40年間、全ての国民に加入義務があります。
そのすべての期間において、国民年金保険料を支払えば満額の年金が支給されます。
しかし、厚生年金(老齢厚生年金)には加入期間や年収が影響するため、個人差があるのです。
老後生活に必要なお金はいくら?
次は、シニア世帯の生活費を確認しておきましょう。
まずは、総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」で、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の収支事情をみてみましょう。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の収支「月2万円の赤字」
上記データをみると、実収入24万6237円に対して、消費支出が23万6696円、国民健康保険料(税)など年金から天引きされる非消費支出が3万1812円、合計した支出合計は26万8507円です。
収支では、月々2万2270円の赤字となっています。
消費支出の23万6696円の内訳は以下のとおりです。
- 食料:6万7776円
- 住居:1万5578円
- 光熱・水道:2万2611円
- 家具・家具用品:1万371円
- 被服及び履物:5003円
- 保健医療:1万5681円
- 交通・通信:2万8878円
- 教育:3円
- 教養・娯楽:2万1365円
- その他:4万9430円(うち、交際費:2万2711円)
2万円程度の赤字であれば、節約をしようと考える方がいるかもしれません。
たとえば、上記の月々の費目であれば、「食料:6万7776円(28.6%)」が多くの割合を占めています。
例えばご家庭内で、外食を頻繁にしたり、お菓子やお酒代が多かったりと感じるのであれば、見直した方がいいかもしれません。
しかし、基本自炊をしているご家庭であれば、相応と考えてもよいかもしれません。
豊かな生活を送りたいとき、毎月必要なお金はいくら?
さらに、シニア世帯のゆとりある老後生活費を確認しておきましょう。
生命保険文化センターが行った「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によれば、ゆとりある老後生活費は平均37万9000円でした。
ゆとりある老後生活費
平均37万9000円の内訳は「最低日常生活費+ゆとりのための上乗せ額」です。
このアンケートでの最低日常生活費の平均は23万2000円。先述の家計調査での消費支出23万6696円と同水準です。
最低日常生活費以外で、平均14万8000円が「ゆとりのための上乗せ額」として必要と考えるようなのです。
このゆとりのための上乗せ額の使途としては、「旅行やレジャー:60%」、「日常生活費の充実:48.6%」、「趣味や教養:48.3%」「身内との付き合い:46.2%」と続いています。
最近では、元気なシニアが増えていることもあり「いろんな場所を旅してみたい!」「登山をしたり、ドライブをしたり…、いろんなことを体験したい!」と感じる方は多いはずです。
そのためには、お金の準備が欠かせません。現役時代から「自分が理想とする老後の過ごし方」を考えておきましょう。
老後に向けて年金以外の備えも
老後の生活を支える資金としては、厚生年金は頼れる存在です。
しかし、ゆとりある老後生活を考えた場合は、年金だけでは難しいといえます。
なるべく早いうちから、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA、個人年金保険などを活用して、じぶんの年金づくりに励みましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」
- 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」
舟本 美子