5. 「なんとかなる」から「なんとかする」へ

ここまで、年金の仕組みと支給額について見てきました。やはり公的年金だけで老後生活していくのは厳しいと思われる方が多いのではないでしょうか。

現役世代の方々には、老後の生活が漠然と「なんとかなる」ものではなく、計画的に「なんとかする」ものであるということをまず自覚していくことが大切です。

老後の生活を「なんとかする」ための手段の1つに、資産運用があります。

年金があるし、足りなければ働いたらいい、というような「なんとかなる」を前提としたライフプランは大きなリスクを抱えていると言えるでしょう。

同じくリスクを伴う資産運用ですが、老後まで十分にある時間を武器にして、計画的にコツコツ資産を運用して積み上げていくことで「人生におけるリスク」は回避することができるといえます。

6. 大事は小事より起こる

公的年金の原資を預かる「安全第一」のはずのGPIFも、「積立金」を現金ではなく、株式や債券などの資産で保有し運用しています。

近年は「NISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」など、税制優遇を受けながら資産運用できる制度が充実しています。

2024年からは新NISAもはじまる予定です。これまで投資と縁のなかった人も、投資を始めやすい環境が整ってきました。

「大事は小事より起こる」ということわざにもある通り、大きな出来事はいきなり発生するのではなくて、原因や前兆となる小さなことがあります。

投資も同じでしょう。

今からできる老後の準備から目を背けて、実際の老後生活が苦しくなるという大事にならないために。

理想のセカンドライフをイメージして、自分の性格や現状に合った資産運用を検討をしていくところからはじめてみてはいかがでしょうか。

参考資料

小西 泰主