増える「おひとりさま」。70歳代単身世帯の貯蓄額と年金額はどれほどか。 高齢者の就業率や年収も覗く

2. 70歳代「おひとりさま」貯蓄額（平均・中央値）はいくら？

おひとりさまで過ごす長い老後生活。「お金」は心強い味方となることでしょう。

老後生活の二本柱となるのが「貯蓄」と「年金」です。現在のシニア世代の貯蓄額と年金額を覗いていきましょう。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和4年）」によると、70歳代・単身世帯の貯蓄は以下の通りでした。

2.1 70歳代「おひとりさま」シニアの貯蓄額（平均と中央値）

• 平均：1433万円
• 中央値：485万円

70歳代おひとりさまの貯蓄額は、平均1433万円です。

しかし、平均は貯蓄額の多い世帯より引き上げられているようですので、ここではより実態に近い数値とされる中央値を参考としておきましょう。

中央値は485万円。しかし、円グラフを見ると貯蓄が多い人と少ない人とで二極化しているようですね。

貯蓄額の金額階層別の割合は以下の通りです。

2.2 70歳代「おひとりさま」シニアの貯蓄額階層別の割合

•     金融資産非保有：28.3％
•     100万円未満：5.2％
•     100万円～200万円未満：4.0％
•     200万円～300万円未満：4.2％
•     300万円～400万円未満：4.6％
•     400万円～500万円未満：3.0％
•     500万円～700万円未満：8.8％
•     700万円～1000万円未満：4.8％
•     1000万円～1500万円未満：5.6％
•     1500万円～2000万円未満：5.8％
•     2000万円～3000万円未満：8.2％
•     3000万円以上：16.1％
•     無回答：1.2％

貯蓄額を細かく見ていくと「貯蓄ゼロ」のおひとりさまシニアが28.3％と高い割合であることが分かりました。

先ほど確認した平均寿命を考慮すると、貯蓄ゼロで過ごす日々は不安が大きいのではないでしょうか。

※上記の貯蓄額には、流動性の高い預貯金だけでなく投資信託や株式、保険、外貨預金など資産価値のある金融商品を含んでいます。