少子高齢化が進む日本ですが、高齢者の一人暮らしの割合が増えているのを皆さんご存じでしょうか。
これは今後も増加傾向になっているようです。
今までは夫婦二人の年金で賄えていた生活費などを、お一人で賄っていくしかない方が増えていく可能性があるともいえるでしょう。
事実、ファイナンシャルアドバイザーである筆者が受けている相談の多くが「将来一人で生きていくことになった場合にかかる費用とそれに対しての備え」についてです。
色々な生き方が広がる中で、老後への考え方も変わってきているのかもしれません。
今回は70歳代のおひとりさまにフォーカスして「貯蓄額」や「年金額」について詳しく見ていきましょう。
1. 延びる平均寿命。増える「おひとりさま」シニア
内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの割合は、以下のとおり年々増加の一途をたどっています。
1.1 「おひとりさま」シニアはどのくらいいる?
◆65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの割合◆
【1980年】男性4.3%・女性11.2%
【2020年】男性15.0%・女性 22.1%
【2040年 推計】男性20.8%・女性24.5%
近年、生涯未婚を選択するおひとりさまが増加傾向にあります。
おひとりさまで老後を迎える人が増えていることが、おひとりさまシニアの増加の理由の一つとなるでしょう。
1.2 シニアの平均寿命は?
厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は年々延びています。
2022年の平均寿命は、男性81.05年、女性87.09年でした。
2020年~2022年にかけては新型コロナウィルス感染症などによる死亡率が平均寿命に影響を与える形でやや縮小されていますが、総じて平均寿命は延びていると考えてよいでしょう。
全人口に対する高齢者の割合自体が増えていく中で、未婚割合の増加により「おひとりさま」シニアの割合が年々上昇しているというわけです。