将来のことを考えるために事前にしておくことは?

40歳代や50歳代の方が、老後に向けて考えておくことがあります。

まだまだ先のことで考える必要がないと言われるかもしれませんが、60歳代を迎えて急に老後資金を準備することはできません。

退職金があるから大丈夫という方もいれば、退職金がない方もいらっしゃいます。

また、老後の準備をする前のライフイベントもあるでしょう。

お子さんがいらっしゃる方は「教育資金」、「住宅」の購入をして住宅ローンの返済をしていると、老後資金を考えることが難しいかもしれませんが、できるだけ準備はしておきましょう。

50歳の共働きのご夫婦の例

お子さんが大学生や高校生というケースが多い50歳代。まだまだ教育資金がかかります。

この世代は教育資金の支出が多いため、まずは教育資金の支出が最優先です。

余裕はないかもしれませんが、少しでも準備できるのであれば、iDeCoを使って老後の準備を始めましょう。

iDeCoは原則60歳以降まで中途の引き出しができませんが、引き出しができないからこそ、老後資金を準備することができます。

お子さんの教育資金が終わっても積立を始めることはできますが、運用できる期間が短くなります。

また、iDeCoでは運用しながら所得税や住民税の節税効果もあるので、早めに準備することができます。

夫婦ともに55歳の会社員と専業主婦の例

60歳で定年となり退職金をもらえるまで、もう一息といえる55歳。

その後は給与が下がりますが、同じ勤務先で65歳まで働こうと考えているとします。

この年齢の方でも、老齢厚生年金や老齢基礎年金の受給開始時期は65歳です。

今まで安定的な金融商品で貯蓄をしてきた方でも老後に不安があれば、これから少しずつ運用を始めても良いのではないでしょうか。

NISAは今でも利用できますし、2024年からは制度が変わり、1年間で運用できる金額が増額され、運用できる期間も長くなります。

2024年からはNISAを使って、投資信託を積立で運用しながら、個別株を買うことができるようになります。

<2024年からのNISA>

出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

老後に貯蓄が少ないのであれば、今からでも運用しながら増やすことができます。

使う時期も65歳と決まっているわけではなく、運用しながら、不足するものを取り崩すことができます。

安定的に運用したい方の例

預貯金の金利は上がっていませんが、住宅ローンの金利がじわじわと上がっているように、日本の国債の金利も少しずつ上昇しています。

iDeCoやNISAを使って株や投資信託で運用するのはまだまだ不安という方は、国債や社債を購入する方法もあります。

国や企業などの発行体が破綻しなければ、元本も返ってきますし、利息もしっかりともらえます。

日本で発行されるものは、まだまだ金利が1%にも満たないものが多いのですが、海外の債券では3%〜5%台というものも多く出回っています。

様々な通貨で発行されていますが、米ドル建てなどの通貨で備えるのもひとつです。

日本の国債は様々な金融機関で購入できます。社債や海外の債券は証券会社で購入することができますし、満期までの期間が比較的短い既発債というものもあります。

ただし、購入時よりも受け取り時に円高になっている場合、元本割れのリスクもあります。

証券会社によっては、満期償還時に外国通貨のまま保有し、円安になった時に自分のタイミングで日本円に両替することができる金融機関もあるので、証券会社選びも大事です。