2. 国民年金と厚生年金は2023年度に増額
2023年度、年金額が3年ぶりの増額改定となりました。
昨今の物価上昇においては、同じ「100円」でもその価値に差が出てきているところなので、シニアにとってはうれしい改定となったでしょう。
2.1 国民年金(老齢基礎年金)の年金決定額
2023年度における国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、月額で6万6250円※1となりました。
※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)
年金額自体は増加したものの、その上昇率よりも物価の上昇率が上回っているため、実質的には目減りしています。
これは制度上仕方のないことで、「マクロ経済スライド」が発動することにより、物価や賃金の伸び率よりも年金の引き上げ額は抑えられることになっているのです。
高齢者の暮らしは、年金額の引き上げによってもそこまで楽になったとはいえないでしょう。
2.2 標準夫婦の年金決定額
厚生労働省によると、2023年度の夫婦の年金額例は22万4482円(夫婦2人分)とされています。
これは「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」との注釈があります。
こうした夫婦であれば、2023年度の月額は月額22万4482円(夫婦2人分)となるようです。
執筆者
日本大学国際関係学部卒業後、東洋証券株式会社に入社。国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事する。特に中国株・投資信託の提案を得意とし、自身でも幅広く投資を行ってきたため、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有(2023年11月27日更新)。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)