大企業と中小企業は資本金の金額、または従業員数により分類されています。

大企業の社員は中小企業の社員と比べて貯蓄額が多い傾向にあります。年収格差などがその背景にあると考えられます。

また、退職金も大企業の方が多く支給される傾向にあるため、一般的には大企業の方が老後に向けた資産形成を進めやすいと考えられるでしょう。

今回は大企業と中小企業の貯蓄額や年収、退職金の平均をまとめました。

【貯蓄額】中小企業の社員と大企業の社員の貯蓄額

総務省の「2022年家計調査 貯蓄・負債編ー二人以上世帯ー」によると、企業の規模別の貯蓄額は次の通りです(※「官公」「不明」を除く)。

ちなみに 2人以上の世帯のうち勤労者世帯全体の貯蓄額平均は1508万円となっています。

勤め先の規模別の平均貯蓄額

  • 1~9人    :1006万円
  • 10~29人  :1019万円
  • 30~99人  :1239万円
  • 100~299人:1185万円
  • 300~499人:1579万円
  • 500~999人:1645万円
  • 1000人以上 :1775万円

300人を超える企業においては貯蓄額が急増し、それ以降は組織の規模が大きいほど貯蓄額も増えていきます。

上記によれば、大企業に勤める方は、平均と比べると貯蓄が多い傾向にあるとわかります。

たとえば規模が100人~299人の企業に勤める企業と、1000人以上の企業の社員では、貯蓄額に約590万円の差があります。

【貯蓄額の内訳】中小企業の社員と大企業の社員の違いとは

続いて、勤めている企業の規模別に貯蓄の内訳をまとめると、次の通りです。

どの企業規模に勤めている社員で見ても、貯蓄の大半は「預貯金」で管理している実態が浮かび上がります。

一方で、数値を具体的に見てみると、300人以上の企業に勤める方の方が有価証券や生命保険での資産保有額が多い傾向にあることもわかります。

企業規模別による年収はいくらか

企業規模別の年収を集計してみると、やはり300人を超える企業の方が平均年収が高いことがわかります。

 

  • 1~9人    :619万円
  • 10~29人  :656万円
  • 30~99人  :654万円
  • 100~299人:726万円
  • 300~499人:789万円
  • 500~999人:810万円
  • 1000人以上 :905万円

※このほかに「官公」「不明」という項目があるが、上記グラフでは省略

この調査による平均は768万円なので、年収でも社員数300人以上の企業から平均を上回ります。

年収が高い方が、家計に余裕が出て貯蓄しやすくなるのは自然なことであるため、年収格差が貯蓄額の差につながっていると考えられます。

退職金も企業規模によって格差が生じる可能性

年収だけでなく、退職金も企業規模によって差があり、大企業の方が多くの金額が支給される傾向にあるといえます。

たとえば、厚生労働省の中に設置されている中央労働委員会の令和3年(2021年)の統計「厚生労働省(中央労働委員会)「令和3年賃金事情等総合調査」をみると、満期勤続した場合の退職金の平均は大学卒で2230万円、高卒でも2018万円(いずれも千円の単位で四捨五入)でした。

この調査は「介護事業所以外の資本金5億円以上かつ労働者 1000人以上」もしくは「介護事業所で運営主体が社会福祉法人である施設かつ労働者100人以上」からサンプルを取って調査しているため、調査対象の多くが大企業と考えてもよいでしょう。

中小企業向けの調査としては、東京都産業労働局が「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」で2020年時点の調査を行っています。

また、調査結果をもとに「モデル退職金」を算出しています。モデルケースでは、定年退職の場合で大学卒が約1092万円、高卒が約994万円です。

異なる調査である点に留意は必要であるものの、一般的には大企業と中小企業では1000万円以上の退職金に差がつくと考えられます。

中小企業に勤める場合には貯蓄対策を早めに考えよう

日本の会社勤めの方の統計や賃金・退職金の統計をみると、中小企業の方が貯蓄が少なく、年収・退職金も低い傾向にあることがわかります。

もちろん、今回紹介したデータはあくまで平均なので、仕事で高い成果を出して平均を上回る年収・退職金の獲得を追求することも大事でしょう。また、組織の規模に着目して、大企業へ転職して待遇アップを狙う方法も一つとして考えられます。

今年も残り2カ月をきり、1年を振り返って今後のキャリアプランを考えるには良い時期でしょう。

今回の記事で紹介したデータを、貯蓄目標の設定やキャリアプラン・ライフプランづくりに役立ててみてください。

参考資料