2023年10月23日、岸田首相は物価高への対応策として、定額減税1人4万円の実施を検討していることを明らかにしました。また、住民税非課税世帯には、1世帯7万円の現金給付案が検討されています。
住民税非課税世帯には今年度すでに3万円が給付されており、7万円が給付されれば1世帯あたり合計10万円の現金給付となります。
昨今、「住民税非課税世帯」という言葉を耳にする機会が増えたように思います。一般的に住民税非課税世帯とはどういう世帯を指し、日本にどれくらいいるのでしょうか。
本記事では、住民税非課税世帯となる条件と住民税非課税世帯数や優遇措置などについて確認していきます。
住民税非課税世帯の要件とは?
住民税非課税世帯とは、一般的に低所得の世帯を指します。住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、この両方が非課税となる世帯が住民税非課税世帯となります。
住民税非課税「世帯」ですので、世帯のなかに1人でも住民税が課税される人がいれば住民税非課税世帯とはなりません。
住民税非課税世帯は主に以下のいずれかの条件を満たす世帯です。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が各自治体が定める基準より少ない方
3つめの「前年の合計所得金額が各自治体が定める基準より少ない方」については、自治体によって基準が異なるため、お住まいの市区町村の自治体へご確認ください。
住民税非課税世帯は日本に何パーセントくらいいる?
さて、近年の物価高騰により厳しい状況が続く世帯は多いと考えられますが、「住民税非課税」となる世帯はどれくらいいるのでしょうか。
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、総世帯数1万世帯に対する住民税非課税世帯は2424世帯、全体の24.2%です。年代別の住民税非課税世帯数と割合は【図表1】の通りです。
【図表1】
◆年代別の住民税非課税世帯割合◆
- 29歳以下:29.7%
- 30歳代:9.2%
- 40歳代:9.2%
- 50歳代:11.3%
- 60歳代:19.2%
- 70歳代:34.9%
- 80歳代以上:44.7%
《老齢年金受給世代の住民税非課税世帯割合》
- 65歳以上:35.0%
- 75歳以上:42.5%
住民税非課税世帯の割合が最も多い年代は80歳代以上の44.7%、次いで70歳代の34.9%とシニア世代が続きます。
老齢年金の受給開始年齢となる65歳以上に絞ってみると35%、年金の受給開始を遅らせる繰下げ受給の上限年齢となる75歳以上に絞ってみると42.5%です。
65歳以上になると約3.5世帯に1世帯が住民税非課税世帯ということになります。
住民税非課税世帯への支援&優遇措置
住民税非課税世帯へ7万円の現金給付の案が浮上していますが、2023年度は臨時特別給付金として3万円の給付が行われました。
7万円の現金給付が決まれば、給付済みの3万円とあわせて住民税非課税世帯は計10万円の現金を受け取ることになります。
この他、住民税非課税世帯への支援や優遇措置は以下のとおり様々あります。
- 国民健康保険料・国民年金保険料の減免措置
- 医療費負担の軽減
- 保育料や大学授業料の無償化
生活が厳しいと考えられる住民税非課税世帯へ年金や医療、教育などの機会を失わないような仕組みがとられています。
住民税非課税世帯への現金7万円給付はいつ?
冒頭でも触れたとおり、現在、政府は「住民税非課税世帯への7万円現金給付」を検討しています。
まだ決定事項ではありませんが、年内に給付を始める方向で話を進めているようです。
今後の動きに注視しておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」
- 内閣府「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金について」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 厚生労働省「介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化」
- 内閣府「幼児教育・保育の無償化概要」
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度について」
和田 直子