Counterpoint Technology Market Research(以下「カウンターポイント」という)は、2023年上半期の日本乗用車市場における出荷量を発表した。
出荷量は前年同期比+27%と大きく伸びており、トヨタが首位となった。
一方で、世界で主流となりつつある、バッテリー駆動電気自動車(BEV、Battery Electric Vehicle)の販売はわずか2%であった。
カウンターポイントは、TMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。
国内の販売シェア
2023年上半期の販売シェアを見ていく。
国内メーカーの強さが健在
トヨタは国内市場において首位であり、50%ものシェアを獲得し、その後に、スズキとルノー・日産・三菱自動車アライアンス(連合)が続く。
トヨタ、ホンダ、スズキ、スバル、マツダ、ルノー・日産・三菱自動車アライアンスの乗用車販売を合計すると、日本市場における乗用車販売の90%を占めており、改めて国内メーカーの強さが浮き彫りとなった。
中国BEVメーカー「BYD Auto」
2023年10月開催のJapan Mobility Show 2023(旧・東京モーターショー)では、中国メーカー「BYD Auto」のブースが大盛況であった。
2023年1月より、BYD Autoは「Atto 3 EV」を日本市場に投入しコストパフォーマンスの良さから話題となったが、実際の販売台数はわずか1000台程度に過ぎなかった。
BYD Autoが参入して大きな成果を出せていないのは、米国に続いて日本が2か国目となる。
日本乗用車市場におけるEVの普及
カウンターポイント社シニアアナリストSoumen Mandal氏は、日本市場におけるEVについて以下のように述べている。
「2023年上半期、バッテリー駆動電気自動車(BEV)の日本市場における販売は、乗用車販売全体の2%だった。
一方で、ハイブリッド電気自動車(HEV)の販売は堅調である。
日本政府は乗用車販売のすべてを何らかの電動バージョンに2035年までに移行させるという野心的な目的を掲げており、さらに2050年までにゼロ・エミッション(カーボン排出をゼロにするという考え方のこと)を達成しようとしている。
日本政府は、BEV、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)の購入への補助金という形で、インセンティブを提供している。
米国のインフレ抑制法案(IRA)にヒントを得て、日本政府は税控除も2024年から施行しようとしている。
そんななかで、国内主要メーカーであるトヨタ、ホンダ、日産、スズキ、三菱、スバル、マツダは各社のEV戦略を公表した。遅まきではあるが、8月までにほとんどのメーカーが具体的なプランを明らかにした」
日本区内では、2023年予想でもBEV普及率は10%程度と試算されており、グローバルとは乖離することになるが果たしてどうなるのであろうか。
日本市場における自動車のコネクティビティ動向
BEVの普及率とは反対に、国内販売車のコネクティビティ(connectivity)搭載率は高い水準にあり、メーカー各社も力を入れている。
カウンターポイント社アソシエイトディレクターBrady Wang氏は以下のように述べている。
「日本でBEV市場シェアが低いこととは対照的に、車へのコネクティビティの搭載はかなり進んでいる。
2023年上半期に販売された乗用車のほぼ半数にコネクティビティが搭載されていた。車載のコネクティビティによって、ナビゲーション、車両の重要データのモニタリング、音楽や動画のストリーミングなど、多彩なサービスが提供できる。
加えて、ADASの高レベル規格では、しばしば車載コネクティビティによるリアルタイムのデータ通信が必要になる。
2030年までに日本の乗用車の新車販売の90%以上がコネクティビティを標準装備するとみられる」
さらに、コネクティビティを支える通信技術の搭載も進む。
Wang氏は以下のように述べてレポートを締め括っている。
「現在、乗用車向け5G接続はニッチだ。
ごく限られた車種を除けば、日本の自動車は4Gで接続している。
5Gを純正で搭載しているのは、BMW 6、BMW i4、BYD Atto 3である。
しかし、2030年末には日本での5G接続は92%に達するとみられる」

