3. 厚生年金と国民年金からは天引きされるお金がある
年金は、前述の額面がまるごと受け取れるわけではありません。
天引きされるお金について4種類をみていきましょう。
3.1 年金からの天引き1. 所得税および復興特別所得税
年金収入が一定以上になると所得税も発生するため、年金から源泉徴収されます。天引きされた金額が振り込まれるのは、我々の給料と同じでしょう。
また、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税を徴収される時に復興特別所得税もかかります。
ただし、障害年金や遺族年金は非課税となります。
3.2 年金からの天引き2. 個人住民税
前年中の所得に対して課税される住民税は、一定の条件を満たした場合に年金からの天引きで納めます。
ただし、収入が一定額に達しなければ非課税となるため、支払い義務が発生しないケースもあります。
また障害年金や遺族年金は非課税となります。
3.3 年金からの天引き3. 介護保険料
65歳以降は健康保険と切り離して単体で介護保険料を納付しますが、年間の支給額が18万円以上の方は年金から天引きされます。
高齢化社会が進む中で介護保険制度の運営は厳しくなっており、保険料の負担は高まっています。
介護状態になり介護サービスを受けるようになっても、介護保険料の支払いは一生続きます。
3.4 年金からの天引き4. 健康保険料
あまり知られていませんが、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も、原則年金からの天引きで納めます。
こうしたお金が天引きされた上で振り込まれるため、年金の額面と手取り額は相違するのです。
さらに、手取り額は年度の途中でも変わることがあります。なぜなのでしょうか。
4. なぜ?年金振込額が年度途中で変わる理由
年金から天引きされる税金や保険料の金額は、必ずしもその年度のものとは変わりません。
決定されるまでは前年と同じ金額を「仮徴収」として天引きするのです。そして正式に決まったあと、残りの期間で「本徴収」します。
多くの自治体では10月に本徴収が始まるため、10月13日の振込分から金額が変化したシニアもたくさんいます。
※自治体によっては8月を本徴収の開始としているところもあります。スケジュールや実際の振込額については、個別にご確認ください。
その他、年の途中で65歳を迎えた方なども、天引き開始により振込額が変わるケースがあります。
所得と年金の関係についてはしっかり認識しておきましょう。