老後に向けた資産形成は必須
70歳代のお金事情について眺めてきました。
貯蓄「4000万円超」の世帯が78万3392世帯で70歳代総世帯の約42%を占める結果ということは、一定の貯蓄を備えている世帯が多いということが分かりました。
しかし一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%という事実も見逃してはなりません。70歳以上であっても貯蓄が心許ない世帯があるというのも事実です。
物価高騰が続く近年。老後資金の必要性は感じていても、なかなか貯蓄にまで手が回らないという世帯は少なくないでしょう。あるいは、退職金を老後資金に充てるから貯蓄に力を注いでいないという世帯もあるかもしれません。
一般的に退職金は同じ企業に長く勤めていると、まとまった金額が期待できます。しかし今は終身雇用で長く勤めるより、転職するのも当たり前の時代です。退職金に頼り切るのは、今の現役世代にとっては不安が残るかもしれません。
これまで当たり前だったことが、現代ではそうでないことが多々あります。たとえば、いまは一昔前と違って資産運用が当たり前の時代となりました。
高金利預金で資産を増やしてきた現在のシニア世代にとっては、リスクを伴うものへの投資は抵抗が大きいかもしれません。
しかし、預貯金にお金を置いているだけでインフレにより資産が目減りしていく様を見続けている現役世代の人にとって、資産運用は老後対策としても有効な方法の一つとなるでしょう。
選択肢はさまざまです。ご自身に合う方法を見つけて、老後資金づくりに取り組んでいきましょう。
参考資料
菅原 美優