株式会社そごう・西武(以下「同社」という)は、2023年10月25日、取締役執行役員副社長としてダヴィデ・セシア氏を起用する人事を発表した。

ダヴィデ・セシア氏は、プラダジャパンの元代表取締役社長に就任した経歴を持つ。

この度の人事は、同社の今後の方向性を示唆するものなのか、これまでの経緯を踏まえて見ていく。

そごう・西武の売却

2023年8月31日に、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証プライム、3382)が保有する同社の全株式を、アメリカの投資ファンドである「フォートレス・インベストメント・グループLLCの関連事業体である特別目的会社(以下「フォートレス」という)」へ売却した(関連記事はこちら)。

同社は、2023年9月1日よりフォートレスの100%子会社となっている。

そごう・西武の売却時に問題とされた点

2023年8月には、同社の労働組合がストライキを実施し、旗艦店である池袋本店を閉館し、大きなニュースとなった(関連記事はこちら)。

同社の労働組合は、親会社が変更となった場合、「雇用維持ならびに事業継続」が継続されるかについて、協議がまとまらずストライキ実施に至った。

また、フォートレスの計画では旗艦店・西武本店を大規模に改装することも含まれており、同社のブランドイメージの毀損も危惧されていた。