2023年も残すところあと2カ月。パートタイムで働く主婦(主夫)のみなさんの中には、「あとちょっとで扶養を超えちゃうかも……」と、「働き控え」をしなくてはならない人もいるでしょう。
しばしば話題になる「年収の壁」。これは年収より社会保険への加入が必須となることから起こる問題です。社会保険に加入するかどうかで、お給料の「手取り」は変わってきます。扶養を外れて働くかどうか悩む人も多いはずです。
一方、自分で社会保険に加入すれば、将来の厚生年金が増えるというメリットがあります。扶養の範囲を少しだけ超えた「月収11万円」の場合、厚生年金はいくら増えるでしょうか?
社会保険に加入するその他のメリット、デメリットについても確認していきましょう。
1. 年収の壁には種類がある
年収の壁には「税金」と「保険」の2種類があります。また、目安となる年収には段階が設けられています。
しばしば混同されやすいこの「年収の壁」について、簡単に整理しましょう。
1.1 税金面の扶養(年収の壁)
- 103万円の壁:所得税が発生する
- 150万円の壁:配偶者の配偶者特別控除が段階的に減る
1.2 1.2 社会保険面の扶養(年収の壁)
- 106万円の壁:一定要件を満たせば社会保険に加入
- 130万円の壁:社会保険に加入
このように、「税金面の扶養」と「社会保険面の扶養」に分けて考えられています。
どちらの場合も税や保険料の負担は増えます。給与が増えても手取りが減るという逆転現象が起こることがあるのはこのせいです。
そこで、この「年収の壁」を超えないために「働き控え」が発生するケースもあるのです。