4. 厚生年金「額面15万円」の場合の「手取り額」はどのくらい?
天引きされる税金や保険料を合計すると年間で約15万円です。
180万円-15万円=165万円。額面は15万円だとしても、毎月、税金や保険料で1万2500円が天引きされ、手取り月額は13万8000円となります。
※天引きされる金額は年度途中に決定するため、あくまで概算であり、1年を通して同じ手取り金額になるとは限りません。
5. 時間の長さを生かして資産形成を
現状の年金受給額をみてみると、公的年金だけで老後の生活を送るのは厳しそうです。そうなると定年退職後も長く働き続けるか、今ある生活から節制をして蓄えていくしかありません。
しかし、長く働くには健康が前提になり、節制においても限度があります。
老後までの時間が十分にある現役世代にとっては、時間の長さを生かしてコツコツと資産形成に励むことの方が、ストレスが少なく続けていくことができるのではないでしょうか。
また時間の長さを生かすことができるのであれば、資産運用を取り入れることも一案です。
まずはご自身がどのように過ごしていきたいのか、そのうえで生き方や性格にあった資産運用を活用していくことも選択肢の一つだと思います。
6. 「厚生年金・国民年金」よくある質問(FAQ)
ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。
6.1 Q1. 厚生年金と国民年金の違いはなんですか?
A1. 公的年金は2階建ての構造となっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。
国民年金 | 厚生年金 | |
加入者 | 原則日本に住む20歳~60歳未満の人 | 公務員や会社員など |
受給額(月額) |
満額:6万6250円 平均:5万6368円 |
平均:14万3965円 |
保険料(月額) | 1万6520円 | 報酬によって異なる |
支給開始年齢 | 原則65歳 | 原則65歳(特別支給の老齢厚生年金あり) |
受給資格期間 | 10年 | 1ヶ月 |
6.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?
A1. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。
もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。
6.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?
A1. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。
保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の算定方法」
- 八王子市「令和3年度(2021年度)から令和5年度(2023年度)の介護保険料(所得段階)」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
盛長 健一