2023年4月納付分から、社会保険料が改定されました。都道府県によって値上げか、それとも値下げか異なります。皆さんはお給料明細で確認されましたか?
その他にも皆さんのお給料から、所得税や住民税が差し引かれますよね。
実は老後に受けとる「年金」にも差し引かれるものがあります。
今回はその実情についてお話していきます。
まずは年金制度の仕組みや、現在の高齢者世代がどのくらいの年金額を受け取っているのかを確認してみましょう。
1. 公的年金制度「国民年金・厚生年金」の仕組み
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金により成り立ちます。
現役時代に加入する年金の種類により年金額が大きく異なりますので、仕組みや特徴を確認しておきましょう。
1.1 国民年金の仕組み
国民年金は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が原則として加入する年金です。
学生であっても20歳に到達すれば自動的に国民年金に加入となります。
国民年金の保険料は全員一律で年度ごとに見直しが行われます。自営業者や20歳以上の学生などの第1号被保険者は自身で保険料を納付しますが、第2号被保険者・第3号被保険者は個人で保険料を納める必要はありません。
老後に受給する年金額は、40年間、全ての期間の保険料を納めれば満額を受給。未納があれば満額から減額される仕組みです。
1.2 厚生年金の仕組み
厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せする形で加入する年金です。
保険料は厚生年金加入期間中の報酬により決定し、会社側と折半して負担します。
そして、老後に受給する年金額のうち老齢厚生年金はこの保険料と年金加入期間により決定します。老齢厚生年金は、老齢基礎年金(国民年金)に上乗せして支給となるため、基本的に国民年金より年金額が多くなる仕組みです。