2.2 年金額を決めるのは「平均標準報酬額」と「厚生年金加入月数」

老齢厚生年金の計算式より、年金額は平均標準報酬額と厚生年金加入月数に比例します。

平均標準報酬額が60万円で40年間厚生年金に加入した人の老齢厚生年金の月額を13万2000円とすると、標準報酬月額が低い人や加入年数の短い人の年金額は次の通りです。

  • 平均標準報酬額30万円、40年間加入:年金額6万6000円
  • 平均標準報酬額60万円、20年間加入:年金額6万6000円
  • 平均標準報酬額30万円、20年間加入:年金額3万3000円

平均標準報酬額と厚生年金加入月数が半分になると、年金額は4分の1しかもらえません。

3. 有効な老後対策とは

老齢厚生年金の受給権者に占める月額20万円以上の人の割合は15.5%(男性が22.5%、女性が1.2%)で、おおよそ6.5人に1人が該当します。

平均的に厚生年金の加入期間や給与水準が低い女性の方が該当者が少ないのが現状です。

年金が多い人と少ない人の決定的な違いは、老齢厚生年金の計算基礎となる平均標準報酬額と厚生年金加入月数です。

給与水準が高く加入期間が長い人ほど、年金額は高くなります。

急に給与水準を上げるのは難しいですが、定年後も再雇用などを活用して厚生年金に加入して年金額を増やすことは、有効な老後対策の1つといえます。