終わりが見えない物価上昇が続いていますが、そんな中、ある調査によると「前年と比較して貯蓄額が減った」人が27.4%にのぼることがわかりました。
「増えた」と答えた人が18.9%にとどまるため、家計状況は芳しくないことが読み取れます。
貯蓄の目的は人それぞれですが、老後を見据えて「老後2000万円問題」を意識している方もいるのではないでしょうか。
今回は、アンケートから見える家計の現状とともに、今のシニアの貯蓄事情にも迫ります。
物価高で家計捻出が厳しい現状において、どのように改善していけばいいのでしょうか。
貯蓄額が前年より減った人は約3割
株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」が実施した調査結果によると、2022年と比較した貯蓄の増減は次の結果になりました。
「増えた」と回答した割合が18.9%なのに対し、「減った」と回答した割合は27.4%です。なかでも、「かなり減った」と回答した割合は15.2%になりました。
さらに支出額の増減を聞いた問に対し、前年より「減った」と回答した割合は8.4%、「増えた」と回答した割合は42.4%でした。
支出額が増えることにより、貯蓄を切り崩すことになった人もいるとうかがえます。
もちろんライフステージによっては、どうしても収支が赤字になるという時期はやってくるものです。
例えば子どもの高校入学と大学入学が重なった年などは、支出が上回ることもあるでしょう。
しかし、同調査では「食費」と「日用品費」の生活費の支出額が増加したという回答が多くを占めていました。
日常生活を送る中で、同じような支出をしていてもじわじわ物価高の影響を受けてしまい、結果的に赤字になってしまうこともあるのではないでしょうか。
実際、8割以上の人が「より積極的に貯蓄・節約をしたいという気持ちがありますか」の問に「ある」と答えています。
では、貯蓄の目標のひとつとされる「老後資金」について、今の60歳代はどれほど備えられているものなのでしょうか。