そもそも老後資金「2000万円」の根拠とは
なんとなく「老後資金の目安は2000万円」と言われる根拠は、2019年に話題となった「老後2000万円問題」が発端となっています。
金融庁の報告により、65歳以上の無職の夫婦世帯が老後を過ごすにあたって、年金以外に2000万円が必要だと言われたものです。
ただし、言うまでもなく「2000万円」は全ての世帯にあてはまる金額ではありません。
老後2000万円に関する記事には「持ち家なら2000万円も必要ありません」「今後の物価高を考えると、2000万円では足りません」など、さまざまなコメントが寄せられました。
そこで考えておきたいのは、「我が家の生活費」と「今後の経済情勢」です。
例えば老後2000万円問題を詳細にみると、試算の根拠は「収入が20万9198円」「支出が26万3718円」「老後を30年」とした場合の赤字の累計です。
しかし、収入がもっと多い方、少ない方がいます。
支出に関しても、元となった総務省のデータでは住居費が1万円台となっているので、賃貸住まいの方はさらなる上乗せが予想されます。
26万円も使わない、と思う方がいるかもしれませんが、入院費や住宅改修費など、突発的な費用を均すとこのような金額になることもあります。
老後の生活費はなかなか想像しにくいものですが、多く見込んでおいた方が安心なのではないでしょうか。
そしてこのまま物価上昇が進めば、2000万円の価値が目減りしてしまい、さらなる金額が必要になる可能性も十分あります。
