【厚生年金】10月に「ひとりで30万円」を受け取れた人も
2023年度の厚生年金から算出した「ひとり分」の老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額は月額「15万8232円」でした。
公的年金は2カ月分が偶数月に振り込まれます。よって、厚生年金のモデル「ひとり分」であれば、31万6464円が10月13日に支給された計算になります。
現役時代に「標準的な収入」だった人が、目指しやすい金額ともいえます。しかし、ここで注意したいのが税金や社会保険料などの天引きです。
支給額はあくまでも「額面」であり、ここから社会保険料や税金が差し引いたものが、実際に振り込まれる「手取り額」なるわけですね。
実際の振込額は、毎年6月に日本年金機構から送付される「年金振込通知書」で確認することができます。
厚生年金「月額15万円以上」は多い?少ない?
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金の月平均(男女全体)は14万3965円。
よって、ひとりで月額15万円という年金額は、決して高望みではなさそうなイメージですね。では、実際にどれくらいの人が15万円以上受給しているのでしょうか。グラフをもとに見ていきましょう。
厚生年金「男女全体」受給者権者総数:1618万445人
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※国民年金部分を含む
厚生労働省の資料によると、厚生年金「15万円以上~16万円未満」という人は97万1605人いました。
15万円以上を受け取る人の割合は46.1%。ほぼ半数が額面で15万円以上の年金額をクリアしています。
とはいえ、グラフで見ると男女差は一目瞭然。ひと月の受給額が15万円未満の人が半分以上である点も看過できないでしょう。
年金だけに頼らない老後生活を
将来の年金見込額を世帯単位で把握し、老後に向けたマネープランを早めに立てていくことは、年金だけに頼る老後から脱却する第一歩であると言えそうです。
「人生100年時代」と呼ばれる長寿時代に老後を送る私たち。長生きリスクに備えたお金の準備は必須の課題であると言えそうです。
超低金利が続くいま、預貯金につく利息だけで資産を増やすことは難しいのが現状。インフレリスクも想定しておく必要があります。
資産運用でお金にも働いてもらいながら、効率よく資産を増やしていく視点を持つ契機かもしれません。
参考資料
大庭 新太朗