夏も終わりを迎え、秋らしい季節になってきました。季節の変わり目には体調を崩す方も多いのではないでしょうか。

体調を崩せば医療費などでお金もかかります。そして未だ続く物価上昇。光熱費も上昇傾向であり、日々家計を圧迫しています。

普段、生活を送るのがやっとの方々は厳しい生活を強いられている方も多いかと思います。年金を主な収入源として生活している高齢者の方々は、さらに厳しいかと思います。

そんな「年金」にフォーカスをあて、公的年金の仕組みや平均受給額などについて触れていきます。

夫婦世帯はどれぐらいの厚生年金と国民年金を受給しているのでしょうか。

1. 厚生年金と国民年金「日本の年金制度」は2階建て

日本は「国民皆年金」となっているため、日本に住む20歳以上の全ての人が原則として国民年金に加入します。

さらに、会社員や公務員などは2階部分の厚生年金にも加入します。ゆえに「年金制度は2階建て」と表現されていますね。

国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、毎月の年金保険料を自分で納付します。

一方、厚生年金の加入者は、毎月の保険料を勤務先と折半で負担します。保険料は毎月の給料からの天引きで納めるしくみです。

専業主婦などで第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は、個人で年金保険料を負担する必要はありません。

受給要件を満たすと、将来は老齢基礎年金を受け取ることができます。これに加え、厚生年金に加入していた人は老齢厚生年金を受け取るという仕組みです。

つまり、現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額には個人差が出ます。

2. 厚生年金の年金月額は特に個人差が大きい

そこで、まずは厚生年金の月額について、個人差の大きさを確認していきましょう。なお、本記事に記載する「厚生年金保険(第1号)年金月額」には、基礎年金(国民年金)月額を含みます。

厚生労働省が公表する「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点での厚生年金の平均額は次のとおりになりました。

2.1 厚生年金の平均月額

全体:14万3965円

  • 男性:16万3380円
  • 女性:10万4686円

2.2 厚生年金の個人差の現状

また、受給金額を1万円ごとに分けると、以下のようになります。

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

こうして見ると、幅広い受給額にばらけている様子がよくわかりますね。

2.3 厚生年金の男女差の現状

厚生年金の受給額を男女別に整理すると、グラフではそれぞれボリュームゾーンが異なることがわかります。男女間の差


これは、厚生年金の受給額が現役時代の収入や勤続年数(厚生年金加入期間)によって決まることが影響していると考えられます。

特に女性に関しては、出産や育児をきっかけに働き方に変化が出るケースが多く、将来的な年金受給額が男性に比べて少なくなっていると考えられるでしょう。

3. 国民年金の年金月額も個人差があるのか

では、国民年金にも受給額に個人差があるのでしょうか。同様に厚生労働省の資料から見ていきましょう。

3.1 国民年金の平均月額

全体:5万6368円

  • 男性:5万9013円
  • 女性:5万4346円

平均月額は男女ともに5万円台となっています。

3.2 国民年金の個人差の現状

先程と同じく、受給金額を1万円ごとに分けると、以下のようになります。

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円~2万円未満:28万4152人
  • 2万円~3万円未満:90万3006人
  • 3万円~4万円未満:274万9550人
  • 4万円~5万円未満:463万6048人
  • 5万円~6万円未満:791万730人
  • 6万円~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上:187万2466人

国民年金では、40年間保険料を納めると「満額」が受給できます。逆に言うと受給額に上限があるということになるため、厚生年金ほど受給額にばらつきは見られません。

3.3 国民年金の男女差の現状

厚生年金の場合、男女ともにボリュームゾーンは6万円~7万円の層です。グラフを見てわかるとおり、性別による差はさほどないことがわかります。

「国民年金の満額」は、月額で6万6250円(2023年度)。年金収入だけで生活を送ることは簡単なことではないでしょう。

付加保険料の納付、もしくは国民年金基金への加入といった、年金額そのものを増やす工夫をしている方もいます。また、個人年金保険などで備えるという方もいます。

4. 厚生年金と国民年金「標準的な夫婦世帯の月額」とは

実際に支給されている年金の平均月額を見ていきました。

実は、年金は毎年改定されているため水準は変わります。2023年度は3年ぶりにプラス改定となりました。

参考までに、厚生労働省や日本年金機構が公表する「標準的な夫婦」が受け取る年金月額を見ていきましょう。

2023年度の一般的な夫婦の年金額は「22万4482円(※)」。です。

(※)厚生年金のモデル夫婦(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で、40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の受給額

夫婦の年金月額が「約22万円」と聞くと、その印象は人それぞれかもしれません。

  • 今の収入よりは大きく下がってしまう
  • 住宅ローンの返済がなければ余裕で生活できる など

ただし注意したいのは、これは40年間ずっと「サラリーマンだった夫と専業主婦の妻の世帯」の年金例だということです。いまの現役世代が年金を受給するころには、この「モデル夫婦」の定義も変化している可能性がありそうですね。

ちなみに、生命保険文化センターの調査によると、老後の最低日常生活費は月額で23万2000円、ゆとりある老後生活費は37万9000円です。

あくまでも調査結果による平均額ですが、公的年金だけで老後を乗り切れる世帯は決して多くはないでしょう。

5. 公的年金のみ収入で老後生活に不安がある場合の対処方法

ここまで公的年金の仕組みや平均受給額についてお話をしていきましたが、年金のみの収入で老後生活を送るのはなかなか難しいでしょう。

受給金額にもよりますが、老後生活に不安がある方ほど、若い頃から老後生活に向けた準備をすることをお勧めします。

筆者は前職で証券会社に勤務をしていた関係で、多くのお客様とお話をしていきましたが、若い頃から老後生活に向けて貯金や資産運用をする方が多くいらっしゃいました。

ですが、「お金」について悩まれた時は中々周りの人には相談ができない傾向にあるかと思います。そしてインターネットで調べても、よく分からないと思う方も多いでしょう。

証券会社へ勤務をしていたときもそのように悩まれるお客様が多くいました。

では、ここで老後生活に向けた準備方法の代表的な例を挙げていきたいと思います。

1つ目に貯金、2つ目に資産運用が代表的な例になります。

貯金と聞くと敷居が低いですが、資産運用と聞くとある程度のお金がないといけないと思われる方々も多いかと思います。しかし、そうとも言い切れません。

どんな資産運用を選択するかによりますが、物によっては100円から始められる資産運用もあります。

現在の日本には多くの選択肢があるので、ご自身の現状や性格にあった方法を選択することが大切です。

6. 年金について知っておこう

お金に関する記事を読むと、分からない言葉が多くあるため読み進めにくいですが、早い段階から知識を付けておくことで老後生活への不安を取り除けるきっかけになるかと思います。

今回は「年金」についてフォーカスをしましたが、生きていけば「年金」は必ず関わってくるものです。知っておくことで得をする可能性もありますので、今後のご自身のために今のからお金について知っておくことをお勧めします。

この記事を読んで、お金について興味を持っていただけたら幸いです。

7. 年金のよくある質問(FAQ)

ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。

7.1 Q1. 厚生年金と国民年金の違いはなんですか?

A1. 公的年金は2階建ての構造となっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。

  国民年金 厚生年金
加入者 原則日本に住む20歳~60歳未満の人 公務員や会社員など
受給額(月額)

満額:6万6250円

平均:5万6368円

平均:14万3965円
保険料(月額) 1万6520円 報酬によって異なる
支給開始年齢 原則65歳 原則65歳(特別支給の老齢厚生年金あり)
受給資格期間 10年 1ヶ月

7.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?

A1. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。

もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。

7.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?

A1. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。

保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。

参考資料