総務省統計局が2023年9月17日に公表したデータによると、総人口に占める高齢者人口の割合は過去最高の29.1%に。
また75歳以上の後期高齢者の数は初めて2000万人を突破し、10人に一人が80歳以上となりました。そんな今、介護をめぐる問題に当事者として直面する人も増えています。
家族の中で介護が必要となる人がいる場合、その介護を「誰が担うのか」をめぐり、しばしば揉め事に発展するケースもあるでしょう。
今回は「誰が介護を担うのか」についての意識調査の結果を紐解きながら、親の介護について考えていきます。
1. 「誰に介護してもらいたい?」65歳以上シニアの「ホンネ」とは?
さいしょに、内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果(※)」から、将来排せつなどの介護が必要となった時、「誰に介護を頼みたいか」という質問への回答結果を見ていきます。
※内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」※
調査対象:施設入所者を除く全国の65歳以上の男女合計4000人
1.1 トイレなどの介護が必要になったら「ヘルパーなどに頼みたい」が46.8%
将来、排せつ等の介護が必要になった時、誰に介護を頼みたいか
全体(n=2228)
- ヘルパーなど介護サービスの人:46.8%
- 配偶者:30.6%
- 子:12.9%
- 子の配偶者:1.0%
- 兄弟姉妹:0.8
- その他の家族・親族:0.4
- 友人・知人:――
- 特にない:4.3%
- その他:1.2%
- 不明 無回答:1.9%
上位回答は、「ヘルパーなど介護サービスの人(46.8%)」「配偶者(30.6%)」「子(12.9%)」に次いで「子の配偶者(1.0%)」となっています。
ただし、男女別に見ると「配偶者」と答えた人の割合は男性 50.8%、女性 12.5%と圧倒的に男性が高くなっています。また「ヘルパーなど介護サービスの人」と回答した割合は、女性 58.0%、男性 34.3%と、女性が高めです。