2.3 【親の介護】子どもがするのは当たり前?

印象深かったコメントを一つ、抜粋してご紹介しましょう。

「その他」と回答した人のコメント

誰がどうやって介護をするか、というところに繋がりますが、社会で見るとなっても、 その社会もさらなる超高齢化が進みますので、介護に関する学問で見かける「老々介護」「認認介護」をいかにして行えるようにしていくかの議論や、 そもそもいかにして「要介護度」が上がらないように皆考え、実行していけるような現実的な策の啓蒙・推進の検討が必要なのではないでしょうか。 他人に興味を持たない風潮で、社会で見るなどという夢物語は不可能だと考えます。

出所:ポリミル Surfvote投票結果 「親の介護を子どもが担うのは当たり前か?」
人生100年時代、老親介護における子どもの立場を問うたイシュー「親と子の人生は別だから反対」が44.8%で最多(PR TIMES)より引用

3. まとめにかえて

今回は「介護の担い手」に関する2つの意識調査の結果を見てきました。少子高齢化、核家族化が進むいま、介護の担い手の数も減っています。世帯の状況によっては、老老介護、遠距離介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

育児と介護を並行しておこなう「ダブルケアラー」や、仕事と介護を両立する「ビジネスケアラー」、さらには日常的に家族のケアを行う「ヤングケアラー」など、さまざまな形で介護に心を砕く家族たちの存在も、メディアなどを通じて報道される機会が増えてきました。

介護にかかる心身のストレスや経済的な負担は、要介護の人の状態や家族構成などにより大きく個人差が出る部分ですね。

育児や仕事とは異なり先の見通しが立ちにくい故に、長丁場を覚悟して臨む家族もあるでしょう。

介護保険サービスを始めとする社会資源を活用しながら、介護する子ども自身の生活基盤が崩れない前提で進めていくことが大切です。

民法877条1項では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」とされていますが、24時間つきっきりでケアを行うことだけが家族の役割ではありません。介護のプロに頼ることも、立派な介護のひとつです。

ヘルパーなど家族以外の人を自宅にあげることに抵抗感を覚える人も少なくないでしょう。しかし、子どもに面倒をみてもらいたいという「親心」は大切に受け取りつつも、折り合いをつけながら「息切れしない介護」のスタイルを模索する必要もありそうです。

参考資料

吉沢 良子