長い老後生活に向けて
老後に向けて不安に感じる方は多い現状にありますが、昨今の物価上昇でうまく貯蓄が進まないという方もいるかと思います。
大切なのは、漠然とした不安を抱えたまま過ごすことよりも、現状をしっかりと知ることではないでしょうか。
年金の見込額を知り、我が家の資産を整理するだけでも課題が具体的に見えてきます。保険や有価証券などで分散して資産を保有している場合、総額を意識できていない方も多いです。
ライフプランやキャッシュフローを考えることで、人生における収支を長い目で考えてみましょう。
退職金の有無や定年退職の時期も確認しておけるとより安心です。
足りない分については、貯金に加えて資産運用なども視野にコツコツと準備を始める必要があります。
資産運用と聞くと「元本割れのリスク」に目が行きますが、「時間」を味方につけることでリスクを軽減する効果があります。
興味がある方ほど、早めの検討が有効になるということです。
ただし、大切な老後資金をリスクにさらしたくないという方は、より一層の慎重さが求められます。
貯蓄に関連する質問(FAQ)
Q1.「貯金」と「貯蓄」はどう違う?
「貯金」は、現金を自分で貯めること、あるいは銀行などの金融機関に預けることを指します。金融機関によっては「預金」ということもあり、貯金・預金、そして2つを合わせて「預貯金」というケースもあります。
一方、貯蓄は、貯金に加えて投資信託や株式、債券、外貨預金、不動産、保険、金(ゴールド)などの金融資産全般を指します。ただし、「貯蓄=貯金」を指す場合もあり、考えはさまざまです。
参考:金融庁「投資の基本」
Q2.「貯蓄」と「投資」はどう違う?
「貯蓄」は、銀行の普通預金や定期預金など安全性重視の金融商品にお金を貯めていくことを指します。一方、「投資」は、投資信託や株式など元本割れリスクを伴う金融商品にお金を投じて資産を増やすことを目的としています。
広義では、貯蓄に投資信託や株式、債券、外貨預金などを含む場合がありますが、「貯蓄と投資」で区別する場合には、以下のように使い分けるのが一般的です。
- 貯蓄=元本割れリスクなし(普通預金・定期預金など)
- 投資=元本割れリスクあり(投資信託・株式・債券・外貨預金など)
参考:一般社団法人 全国銀行協会「Q.「貯蓄」と「投資」はどう使い分けるのですか?」
参考:金融庁「投資の基本」
Q3.「貯蓄」も「資産運用」に含まれる?
「資産運用」とは、資産(お金)を金融商品を通じて効率的に増やす、あるいは貯めていくことを指します。
一般的に、投資信託や株式などにお金を投じて利益を期待することを資産運用という場合が多いようですが、銀行の普通預金や定期預金などで得られる利息も、お金を運用することによって得られるものですので、資産運用となります。
貯蓄は、広義では預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産全般を指しますので、資産運用には貯蓄も含まれるということになるでしょう。
- 資産運用=金融商品を通じて資産(お金)を効率的に増やす、あるいは貯めていくこと
- 貯蓄=預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産
参考資料
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- ベンチャーサポートグループ株式会社「<老後資金と働き方調査>約8割の50代会社員が「老後の生活費が不安」と回答!定年後も働き続ける予定や可能性がある人は8割以上に上る」
- 国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
太田 彩子