2023年度の公的年金は増額改定となりました。
賃金や物価の上昇に伴い金額としては引き上げられたものの、被保険者数や平均寿命などを鑑みて調整を行うマクロ経済スライドの発動により、実質的には「増額」とはいえない状況です。
さて、明日10月13日(金)は2ヶ月に1度の年金支給日です。この日に標準的な夫婦は2人分の合計額「約45万円」の年金が支給されます。
一見多く感じられるかもしれませんがこの金額には意外な落とし穴も存在します。
そこで今回は年金支給日や支給額について見ていきたいと思います。
1. 「国民年金と厚生年金」仕組みと特徴
日本の年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金からなる2階建ての構造です。
下の図を見ていただくと分かりやすいと思います。
国民年金と厚生年金の特徴は以下のとおりです。
1.1 国民年金(1階部分)
国民年金は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が原則として加入する年金で、年金制度の基礎部分となります。
保険料は全員一律で年度ごとに見直しが行われます。
老齢年金の場合、40年間(480ヶ月)全ての保険料を納付すれば満額支給となり、未納がある場合は満額から差し引かれる仕組みです。
冒頭で申し上げたとおり、年金額についても賃金や物価の動向を見ながら見直しが行われます。
なお、国民年金の第2号被保険者と第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度により国民年金の保険料が負担されるため、個人での納付は必要ありません。
1.2 厚生年金(2階部分)
厚生年金は、主に会社員や公務員などの第2号被保険者が国民年金に上乗せする形で加入する年金です。
保険料は年金加入期間中の給与や賞与などの報酬により決定する仕組みです。
老齢厚生年金は、この保険料と年金加入期間により決定し、老齢基礎年金(国民年金)と合わせて支給となります。
では、実際の年金給付水準はどれくらいなのか、次章で確認していきましょう。