マイホームの購入は、多くの人にとって一生のうちでも数少ない一大イベントのひとつといえます。ひと昔前には「家は3軒建てなければ理想の家にはならない」と言われましたが、現実的には3軒もマイホームを建てることができる人はほとんどいないといっても良いでしょう。
国土交通省住宅局が2020年(令和2年)8月7日に確報を公表した「平成30年住生活総合調査結果」によると、新築住宅(建て替えを含む)を取得した世帯の満足率が81.0%(満足24.5%、まあ満足56.5%)になっている一方で、不満率は18.6%(非常に不満2.6%、多少不満16.0%)になっていて、決して少なくはありません。
2024年1月以降には、省エネ基準を満たさない新築住宅は住宅ローン減税の対象外になるなど、家づくりで押さえておきたいポイントはいくつもあります。
加えて満足度の高い家を建てるためには、他の人の成功例や失敗例を参考にして、プランづくりに活かしていくしかありません。
そこで本記事では、実際に家を建てた人の体験談を紹介したいと思います。
注文住宅を建てて後悔した体験談
まずは注文住宅を建てて「後悔」した体験談からご紹介します。
今回紹介する内容は、次のような方の体験談をもとにしています。
- 【居住地】 静岡県
- 【購入費】 3000 万円
- 【建築主の年齢】40 歳代
- 【家族構成】 夫、妻、子供 2 人
注文住宅の後悔点1:玄関の屋根が大きくない
「玄関の屋根が大きくないために、雨の日などに濡れてしまう点に後悔しています」
玄関の屋根が小さいと、傘をさしていた場合に玄関の前でたたむとき、身体が雨で濡れてしまいます。
他に玄関屋根には、直射日光を避ける、玄関ポーチの汚れを防ぐ、建物の外観のイメージアップを図ることなどの重要な役割があります。
一方で玄関屋根の軒の出が1メートルを超えてしまったり、柱や壁で屋根を支えていたりする場合には建築面積に算入されてしまうので、建ぺい率オーバーに注意が必要になります。
注文住宅の後悔点2:勝手口の階段1段の高さが高い
「勝手口を設けたことで、車で買い物をしてきたときにすぐに荷物を室内に入れられて便利なのですが、駐車場から勝手口までの階段1段の高さが高く、重いものを運び入れるのが大変です」
一般的に屋外階段の1段の高さ(蹴上)は15~20cm程度、踏板上面の寸法(踏面)は30cm程度が望ましいとされています。
重たい荷物を持っても上り下りしやすいように、できるだけ急勾配にならないように設計することが大切です。
注文住宅の後悔点3:浴室の位置や窓の大きさ
「浴室の位置を隣家の駐車場近くにしてしまったため、入浴中に隣の人が駐車場で作業をしていたり子供が遊んでいたりすると、とても気になってしまいます。また換気を考えて浴室に大きめの窓を設置したことも、後悔のひとつです」
一般的に、浴室は家の北側に配置することが多いのですが、プライバシーが求められる場所なので、外部の視線から遮断することが重要になります。
したがって隣地や道路との位置関係に十分な配慮をすると共に、窓の大きさや設置する位置などにも注意することが大切です。
後付けできる専用の目隠し(ブラインドスクリーンキット等)もあるので、外部からの視線が気になるようであれば設置を検討してみると良いでしょう。
注文住宅の後悔点4:リビングの壁面が少ない
「リビング中心の間取りにするのが夢でした。
しかし、色々な部屋からリビングに出入りできるようにした結果、リビングの壁面が少なくなって壁掛けテレビや家具などの配置が困難になってしまいました」
来客を招いたり家族全員でくつろいだりするリビングは、ただでさえいろいろなものを詰め込んでしまいがちです。
そのため窓や各部屋への出入り口が多くなると、壁面が不足してしまうのはよくあることです。
したがって事前のプランニングの段階で、優先順位を良く考えて必要最低限の家具の配置を決めると共に、窓や各部屋への出入り口の位置や大きさを計画することが大切です。
注文住宅の後悔点5:2階のベランダをあまり使っていない
「布団や洗濯物を干すために2階に大きなベランダを設置しましたが、実際には2階に洗濯物を持って行くのが面倒なので、1階に干しています。
そのため、ベランダは布団干しに利用する程度になってしまい、掃除をするのも大変なので後悔しています」
ベランダの使い方は人それぞれで、テーブルや椅子を置いてティータイムを楽しんだり、ガーデニングをしたり、エアコンの室外機を置くスペースにしたりする人もいるでしょう。
しかし布団や洗濯物を干すのがメインであれば、どのくらいの量を干すのかを事前に良く考えておく必要があります。
庭付きの一戸建住宅の場合には、洗濯物は1階に干すという方も少なくありません。
注文住宅を建てて「ここが満足!」体験談
続いて同じご夫婦から、「注文住宅を建てた結果ここに満足している」というポイントも教えていただきました。
注文住宅の満足点1:日常的に過ごす部屋を日当たりの良い南側に配置
「日常的に過ごす部屋を日当たりの良い南側に配置したことで一日中明るくて開放感があり、部屋から見える庭の景色にも癒されています」
リビングや子供の勉強部屋、お年寄りの部屋といった在宅時間が多い部屋は、南側の日当たりが良い場所に配置するのが家づくりの鉄則になります。
注文住宅の満足点2:家の中を回遊できる間取り
「家の中を回遊できるようにしたことで、台所からリビング、洗面所、トイレと行き止まりがなく回遊できて非常に便利です」
回遊できる間取りのメリットは、動線を短くすることができる点です。
移動距離が短くなって、非常に効果的といえます。
一方では、水回りなどで鍵が2カ所必要になったり、照明のスイッチなども事前にしっかりと計画を立てておかないと、洗面室の中にいるのに外から電気を消されてしまったりするので注意が必要です。
注文住宅の満足点3:大きめの窓を多く設置
「大きめの窓を多く設置したことで、冬は窓から入ってくる日差しが心地よく、夏場もシェードや遮熱カーテンなどを併用することでそれほど暑くならずにすんでいます。
閉鎖的な感じがないので、身体にも良い気がして気に入っています」
窓が多いと採光性が上がって風通しが良くなり、開放感が出るといったメリットがあります。
ただし、その一方では外気温の影響を受けやすく、防犯性やプライバシーが損なわれて遮音性が下がるといったデメリットもあります。
また前述したように家具の配置に困ってしまうこともあるでしょう。
したがってメリットとデメリットを十分考慮した上で、窓の配置計画を行うことが大切です。
注文住宅の満足点4:廊下をなくした
「廊下を極力なくしたことで、その分部屋を広くすることができました。
その上、部屋と部屋をダイレクトに行き来できるので、動線が短く移動が非常に楽になったんです」
廊下を極力減らすことで、部屋と部屋が廊下を介さずにつながるので、部屋間の移動距離が短くなって、その分十分な生活空間を確保できます。
一方、廊下がないことで、生活音が漏れやすく、臭いや視線が気になってプライバシーが確保しにくくなるというデメリットもあるので、注意が必要です。
注文住宅の間取りにはひと工夫を
住まいづくりでは間取りをひと工夫することで、大幅に使い勝手が向上することがあります。
しかしどんなことにも必ずデメリットが存在するので、メリットばかりでなくデメリットも事前に十分考慮しなければ結果的に後悔してしまうことにもなりかねません。
満足度の高い住まいづくりに本記事を役立てていただけたら幸いです。


